Festival do Japão

九州ブロック=初の文化大会で青年が躍動=8県が故郷の芸能文化で競う=福岡V、精細影絵で元寇表現

ニッケイ新聞 2016年10月28日

優勝した福岡を中心に出演者らが記念撮影

優勝した福岡を中心に出演者らが記念撮影

 若者の積極参加を促すため、九州地区8県人会の各青年部が16日、第1回九州文化大会を初開催した。識者による審査で順位を競うコンクール形式の大会で、各県20分間という持ち時間の中、様々な手法で故郷の歴史や文化を伝えた。

 参加者が高齢者に限られ、停滞しつつあった九州ブロックのカラオケ大会を取りやめ、「若者がそれぞれの特技を生かせ、なおかつ文化継承につながる企画を」との狙いで立案された。
 母県文化という枠にはこだわりつつ、若者らしい柔軟な発想での発表が相次いだ。長崎で言えば皿踊り、宮崎なら神楽などが定番だが、これまでの伝統にとらわれない個性的な演目が目立った。
 例えば鹿児島は県の公式キャラ「ぐりぶー」のぐりぶーダンスを着ぐるみのぐりぶーとちびっ子が実演し、西郷隆盛の逸話を元にした演劇、最後は地元出身の歌手、長渕剛の「乾杯」を演者全員で大合唱した。
 宮崎は同地で生誕したとされる、神武天皇の東征神話を演劇で再現。大分はおばあ役が孫に、座敷で県の文化や方言を伝えるという会話形式の発表を行なった。
 熊本は伝統芸能「山鹿灯籠踊り」を実演し、熊本城の建設逸話を演劇で披露した。長崎は原爆をテーマに、原爆前夜の平和な生活風景や、知人が犠牲となる様子を寸劇で披露し、平和について考えさせる演目を見せた。
 全ての発表が終わり、優勝は鎌倉時代に博多湾沿岸で起きた一連の戦い「元寇」を、精細な影絵で表現した福岡に決まった。デザイナーや建築家など、手先の器用さや美的感覚に優れた若者が構成に加わったことで、一際完成度の高い発表となった。審査員からは「最も芸術的な発表」と高評され、賞品のペルー往復航空券が贈られた。
 福岡チームは、元県費研修生と次期研修生だけで構成されており、母県への理解も深く、テーマの「元寇」についても帰伯者が実地で知り覚えた知識だった。精細な影絵の発案者は、デザイン関係の仕事に就く西木戸エジソンさん(43、三世)。「限られた時間と予算の中で一番面白いことを考えようと思った」という。投影装置は建築家の部員が設営。総力を結集して勝ち取った価値のある優勝といえそうだ。
 2位は時代劇風喜劇で名産品を紹介した佐賀。佐賀県人会は青年部を持っておらず、秀島正幸副会長ら演技派県人と熊本青年部の客演による混成チームでの参加となった。
 劇内容は、美食を求める殿様に主人公の若者2人が献上品を差し出すも、その見当違いさに殿様が怒り、最後の献上品である佐賀名産のお米やお茶、有田焼に満足するというもの。滑稽な芝居で大いに観客を沸かせた。
 3位にはエイサー太鼓やカチャーシーで会場を沸かした沖縄が輝いた。
 趣向を凝らした工夫の演目は、聖市の熊本県人会館に集った聴衆約200人を楽しませ、九州各県の歴史、文化を広める絶好の機会となった。

 

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 九州文化大会では沖縄は惜しくも3位に。琉球民謡に合わせて、琉球空手や琉球舞踊を披露するという内容で、完成度は一級品だったが、個性がもう一歩足りなかったか。芸能大国、沖縄にとっても今大会は新たな刺激になったのでは?

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