Festival do Japão

第57回海外日系人大会開催 世界19カ国203人が参加

7項目の大会宣言を決議

大会宣言の読み上げ(写真撮影=仲島尚)

大会宣言の読み上げ(写真撮影=仲島尚)

 【東京支社=瀬頭明男】海外日系人協会主催の第57回海外日系人大会が24日から26日までの3日間、「21世紀の日系人像」をテーマに東京・永田町の憲政記念館、同市ヶ谷のJICAビルを会場に、海外19カ国から203人(ブラジルからは71人)が参加して開かれた。大会では「重国籍に柔軟な対応を」「在外選挙制度の簡素化を」といった7項目の大会宣言を決議、日系人の考えを表明した。初日の歓迎レセプションには秋篠宮ご夫妻がご出席になり、参加者と親しく言葉を交わされた。

◆呉屋文協会長「日本の役割は大きい」

 大会では、ブラジル日系人を代表して参加したブラジル日本文化福祉協会の呉屋春美会長が「世界最大の日系コミュニティの未来像」をテーマに基調講演を行った。

 講演で呉屋会長は、ブラジル日系社会の現状を説明し、「出稼ぎ者の帰国で日本文化が新たにもたらされ、日系社会に受け入れられている。このことで日伯両国はさらに強い絆で結ばれつつある」と強調した。さらに日本語教育に触れ、「キャリアアップを目的に日本語を学ぶ人、日本文化への興味から学ぶ人が多くなった」と説明した。

 日系社会は3世、4世の時代に入りつつあり、日本語から離れていく日系人も少なくない。呉屋会長は日系社会の将来を考えた時、日本の役割は大きいと語り、「これまでも県費留学生、同研修制度は親日日系人を育成するのに非常に効果があった」と同制度の充実が必要と指摘。また、「若い人たちが気軽に訪日、訪伯できるようにビザの障壁を無くしてほしい」とも要望した。

◆様々な意見が出た分科会

 大会での討議は、テーマごとに3分科会に分かれ行われた。この討論を通じて7項目の大会宣言にまとめられた。

【第1分科会】
 「日系人の想像力を生かす」をテーマに話し合われ、「日本との交流が欠かせない」「日系人の良いところを発揮すれば、それが独創につながる」「各種行事に2、3世が参加すれば、非日系人も参加する内容になっていく」といった意見が出された。日本政府への注文も出され、「もっと海外日系人300万人の存在を国内で広めてほしい。そのためには教科書に載せ、紹介する必要がある」と、日本人はあまりにも日系人に対する知識が無いと指摘する声もあった。

【第2分科会】
 ここでは、ビジネスへの日系人の活用について話し合われた。「これまで日系人は通訳などの下働き要員で、2、3世には魅力ある職場ではなかったが、最近になって変化してきた。日本人駐在員より高給をもらう日系人やトップに就任する日系人も現れ始めた」と企業が日系人を見直し始めたと指摘する意見も出た。日系人が日本の進出企業に興味を持ち始めたとも言う。「21世紀の日系人は、グローバルな人材として貴重な存在である」として、日本の企業はその活用を考えるべきだとの意見に集約された。

【第3分科会】
 大会に出席している留学生・研修生が議論するセクションで、中南米だけでなく、ドイツ、シンガポールからの留学生も参加した。討議の結論として、「我々はグローバルな人材であり、日本と海外を結ぶ役割を果たせるのではないか。在日日系人は、日本人の日系人に対する意識が変化するよう発信する必要がある」とした。

   ◎   ◎

 3分科会の討議で、次のような大会宣言を採択した。

 (1)日系社会は急速に変化しており、日本は支援から共生へ政策変更を(2)日系人をヒューマンパワーとして活用を(3)若い日系人は、日本と在住国の橋渡しに努める(4)日系4世以降にも在留資格に配慮を(5)重国籍者に柔軟な対応を(6)日系社会で活動する非日系人の育成・活用を(7)在外選挙権の簡素化を。

サンパウロ新聞 2016年10月27日付