島袋秀子さんを尋ねています ―沖縄県那覇市―
重要文化財保存で権利者の消息を
沖縄県那覇市壷屋にある日本国指定の重要文化財で、今年三月に崩壊した登り窯「東ヌ釜(アガリヌカマ)」が敷地内にある陶工住宅「新垣家住宅」。その保存・修理を目的にこのほど、西原篤一・沖縄ブラジル協会長を通じて沖縄県人会(与儀昭雄会長)に、同住宅所有権利者の一人で伯国内在住者の捜索依頼が行なわれた。その結果、同県人会では権利者である島袋秀子さん(五八)がパラナ州クリチーバに在住していることを探し出し、母県側に報告。本人の承諾を得て、九月頃を目処に重要文化財の修復作業が行なわれる予定だ。
琉球新報によると「新垣家住宅」は、千二十九平米の敷地内に登り窯、木造赤瓦ぶき母屋や工房などが残されており、那覇市「壷屋陶業」の歴史を伝える貴重なものだという。
しかし、近年は老朽化が激しく、五月下旬には日本政府と沖縄県、那覇市の三者が保存・修復に乗り出すことを決定。沖縄県内の建物所有権利者の合意を取りつけた。
住宅の登記簿上の所有者は故・新垣オトさんとなっており、権利者の一人でオトさんの孫に当る秀子さんがブラジルに在住していることが判明した。
那覇市教育委員会文化財課では、沖縄ブラジル協会長の西原氏を通じて、六月初旬に伯側の沖縄県人会に連絡。秀子さんの消息確認を依頼していた。
県人会では、会員などを通じて秀子さんを探した結果、クリチーバに在住していることが判明。現在、秀子さんはブラジル人と結婚しているという。
沖縄県人会では、「母県からは遺産相続などでいろいろな人探しの依頼があるが、今回は重要文化財に関わることでもあり、特に力を入れて、あちらこちらを探した」と話している。
日本政府は、今回特別に所有者の経済負担を求めず、総事業費約四億三千万円のうち、文化庁が八五%の補助を拠出し、残りを沖縄県と那覇市が折半するという。
