【既報関連】埼玉県人会(飯島秀昭会長)は二十四、二十五の両日、埼玉県所沢市で開催される『第三十回所沢市民フェスティバル』に同県人会ブースを設置。同時に少年サッカー教室を開くなどし、母県に対して広報活動を行なう。
埼玉県日伯友好議員連盟と、「更に密接な関係を築きたい」という討議の結果、持ち上がった今回の企画。実現するためには、同市やサッカー協会との交渉等、日本側での調整が必要不可欠だった。
この調整役を積極的に行なってきたサポーターの、斎藤俊男さん(四二、二世)と鮎川季彦さん(四二、千葉県出身)が来伯。同県人会の新たな試みについての意見等を語った。
斎藤さんは、同県内で人材派遣会社(株)ティー・エスを経営。多いときは四百五十人の非正規雇用労働者を抱えていたが、昨年九月の経済危機を受けた企業側から、「人材は必要ない」と言われ、労働者の解雇が相次ぎその数は八十五人までに減少した。
この危機的状況の中で斎藤さんは、「二、三年前から農業をしたかった」という自身の考えを形にし、五反の土地を購入。三十人の日系ブラジル人と共に農業を始めた。現在は、七人になった従事者と五兆歩に拡大した農地を耕している。
「初めて埼玉を訪れたときの印象は今でも忘れない」と、埼玉県民の温かい人柄に触れ、日本国籍も取得した斎藤さん。実家が近所の飯島会長とは、五年来の付き合いで、「今回の挑戦は良いことだと思う。積極的にアクションを起こして日伯友好の架け橋となれれば」と、抱負を話していた。
鮎川さんは、千葉県内に展開する美容室チェーン(株)美磋インターナショナルの経営者。一九九二年に小学校教諭として生徒を引率中に、飯島会長と出会い、その経営哲学に魅かれ、二〇〇三年に実家の美容室を手始めとして経営者に転職した。
飯島会長について、「先を見た行動のできる人」と語る鮎川さん。「ブラジルの日系人が、地球の反対側で頑張っているということをもっとアピールして、日本の人たちに認識させたい」と、強い思いを口にしていた。
また、日系社会について、「日本語が薄れつつあるのは残念」としながらも、「優しさや義理人情に溢れている。何より年長者を敬う気持ちが強いところは、もっと広く知ってもらいたい」と語り、将来的には、都道府県の枠にとらわれない広報活動の必要性も示していた。
「アクションなくして結果なし」をテーマに掲げ、熱い思いと強い絆で結ばれた同県人会の新たな試み、『所沢市民フェスティバル』がいよいよ開幕を迎える。
写真:新たな試みに挑む斉藤氏、飯島会長、鮎川氏(左から)
2009年10月21日付
