鹿児島県人会(園田昭憲会長)は八日、同県人会会館で県人会創立九十六周年記念法要並びに敬老会を行なった。
午前十時半から、曹洞宗国際布教師の大畑天昇住職(九二、静岡県出身)によって厳修された先没者慰霊法要では、出席した五十人の会員らが焼香。
大畑住職は法話の中で、「これからも供養を続けていってほしい」と語り、「朝起きたらご先祖様に感謝の気持ちを三回は唱えること。そうすることで、次世代にも恩恵が続いていく」と、説いていた。
引き続き開かれた敬老会で園田会長は、「鹿児島県人は世の中の流れを変えるような血を引き継いでいる。今の自分たちがあるのはご先祖のおかげ」とし、七十五歳以上の高齢者に、「感謝の気持ちを込めて」と、県人会特製かばんや紅白餅、花等を記念品として手渡していた。
参加者代表で挨拶した小森広さん(八〇)は、「日本人の誇りを持ち続け、喜び、感謝をもって生きていくことが大事。会長が頑張っているから、もっと会を盛り上げていこうという気にならにゃいかん」と、集まった会員らを鼓舞。
池上忍名誉会長らによる祝辞の後は、昼食懇談会に移り、会員相互に親睦を深め合った。
出席者最高齢は、藺牟田栄蔵さん(九三、南さつま市出身)。一九三四年に単身呼び寄せで来伯し、ノロエステ線アラサツーバのグァタンビに入植して、食料品等を扱う商売で生計を立てた。最近は、自宅で飼っている小鳥に毎朝餌をやるのが日課になっていて、鳥の観察や庭で花を育てるのが楽しみだという。
毎年恒例の敬老会に、「こういう機会があるのはありがたい」としながらも、戦前移住の知り合いの姿が見られなくなってしまったことに、「話し相手がいないのは、寂しいですね」と、少し残念な様子だった。
下窪ハキさん(九〇、枕崎市出身)は、九月に同市市制六十周年祝賀慶祝団の一員として訪日。五歳年上の姉の様子を見に行ったそうで、「元気でしたわ」と、喜びの表情を浮かべていた。
久しぶりに見た田舎では、田畑の中にも家が建っていたことに驚き、「昔はキツネが出て騙されるというから一人じゃ歩けんかったのに」と語り、日本については、「もう行かん」と話すも、毎回そういいながら五年に一度来伯してしまうことを明かし、周囲を笑わせていた。
久しぶりに顔を揃えた会員らは、ビンゴゲーム等を催しながら午後二時過ぎまで懇談し、笑顔に溢れた和やかな一日を過ごしていた。
写真:厳修された先没者慰霊法要
2009年11月10日付
