アンデス山脈で観光気分を満喫
5日目は終日アンデス山脈を観光。青空の広がる気持ちの良い快晴だったが、寒さと強風で、参加者のはく息も白く、「寒い」との声が続出した。
道中、バスが立ち寄った路側帯は、特に風が強く、参加者の名札や襟巻きが激しく舞った。あまりの寒さに早々とバスへ戻る人も少なくなかった。
午後1時頃、バスは雪を間近に見られる場所に停車。参加者は、ブラジルでは滅多に見られない雪の上を歩いたり、触ったりして感触を楽しんでいた。
耳まで覆う白い帽子を着用していた村越利江さん(71、新潟)は「帽子を持ってきておいて良かった」と言い、「普段、旅行へ行く時は、持参した服を使い切ってしまうことはないが、今回は持ってきたすべての服で防寒している」とアンデス山脈の寒さに驚いていた。 寒い中、立ち寄った民芸店で購入したアイスを食べて楽しんでいたのは荒井五郎さん(79、2世)、寿恵美さん(78、同)夫妻。ふるさと巡りへの参加は、今回が11回目だと言い、旅行へはいつも夫婦そろって出かけると話した。
アンデス山脈の雰囲気を満喫した一行は、標高2千メートルに位置するレストランへ移動し、昼食を取った。
同じく夫婦で参加していた荒木滋高さん(79、三重)と典子さん(72、東京)は「昨年はスペイン在住の娘を頼ってヨーロッパを旅行した。ヨーロッパは、どの街へ行っても日本人観光客の姿があり、邦字新聞が売られている。回転ずしまであって驚いた」とこれまでの旅行を振り返り「今回のツアーではDVDを購入したので、帰って2人で見る」と、帰国後の楽しみをうれしそうに話した。
バスで移動中、添乗員が「宿泊先の食事担当者と食事の交渉をした際、白飯を付けるよう頼んだところ、アルゼンチンには白飯を食べる習慣がなく、ジャガイモが主食なので驚かれた」と食文化の違いを説明すると、参加者も関心した様子で聞いていた。
ツアー最後の晩餐となった10月10日は、参加者の小原あやさん(90、岩手)の誕生日前日だったため、全員が誕生日の歌を総立ちで合唱。アルゼンチンを訪れたのは今回が6度目だという小原さんは「1972年に来た時は、天候不良によりアンデス山脈のツアーが中止になってしまった」と以前の旅行の思い出を話した。
最終日は、前日の快晴とは異なり、穏やかな水色の空に薄雲が浮かび、アルゼンチン国旗を広げたような空模様だった。
父親が福岡県出身という斉藤利治さん(70、2世)は「3日目に訪れたラ・プラタ市で多くの日系人に会えたことが印象的だった。ラ・プラタ市は小さい街だと思っていたが、福岡出身者とも交流でき、楽しかった」と今回のツアーを振り返った。
127人は、出発時より重くなったかばんと思い出を抱え、アルゼンチンを後にした。(おわり、鮫島由里穂記者)
2011年11月1日付
