屋台祭りで滋賀県人会が自信を持って打ち出したのは、昨年のフェスティバル・ド・ジャポンでも販売した「近江の肉うどん」。近年、日本でも急速に注目されている、ご当地うどんだ。
昨年10月に、うどん文化の発展とご当地グルメの振興を目的に、全国9府県13団体のうどんが集まった「第1回全国ご当地うどんサミット」が開催され、東近江地域の滋賀県製麺工業協同組合が出展した「近江牛うどん」が優勝している。
同県人会の山田康夫会長は、約12キロの肉をイベント前夜から自宅で切り分けるなどし、約100食分を準備した。特筆すべきは、麺、いりこ、鰹(かつお)など、ほとんどの材料を日本からの輸入品でそろえていること。日本とほぼ変わらない味に仕上げ、魚と肉のエキスが絡み合ったうどん汁はすべての人の口に合うのではないだろうか。ただし、「約3倍に高騰した日本食品の値段は頭痛の種」だという。
九州の雄、大分が手掛けるのは定番のトリ飯、トリ天、牛たたき。同県人会の調理を監督した伊東信比古氏は「徹底したこだわりを持って調理している」と絶対の自信をのぞかせる。
丸く盛られたトリ飯は、鶏肉以外にゴボウ、シイタケやニンジンなどがふんだんに使用され、ニンニクの風味が食欲をそそる。伊東氏は「地鶏の入手ができないからこそ、調理にこだわりが生まれる」と完成された自らの哲学を説いていた。
また、鶏肉に天ぷらの衣をつけて揚げたトリ天は同県の代表的な郷土料理で、県下の定食店では定番料理となっている。来場した若い日本人は「ブラジルではフランゴ・パッサリーニョが老若男女に人気がある。トリ天は日本食の中でもブラジルに普及する要素を備えているのでは」と話し、おいしそうにほお張っていた。
このほか、ニンニクじょうゆに漬けて食べる牛のタタキは、昼からグラスを傾けるコロニアの酒好きが「つまみに最高だ」と、うなっていた。
実力伯仲の4県が織りなす味の共演に来場者は舌鼓を打ち、会場は幸せそうな笑顔にあふれていた。
(おわり、植木修平記者)
2012年5月5日付
