レキオス10周年記念「夢の共演」
レキオス芸能同好会(大嶺初枝主宰)は同会創立10周年と玉城流小太郎会大嶺初枝琉舞道場創立15周年を記念して10日、聖市サンタナ区のアニェンビーコンベンションセンターで巨大コンサート「謝縁海渡―夢の共演」を開催した。壮大なスケールで繰り広げられた約3時間のステージに会場は一つとなり、訪れた2500人の観客は琉球音楽の底力に魅せられた。フィナーレのカチャーシーで盛り上がりは最高潮に達し、会場全員が総立ちとなり喜びを分かち合った。今回の公演を成功に導いた大嶺氏は感極まり、「本当に皆さんのお陰で素晴らしいコンサートになった。今後ともよろしくお願いします」と頭を下げた。後援は、サンパウロ州文化庁をはじめとする38団体。
コンサートは1部と2部に分けて行われ、1部のオープニングでは、玉城流小太郎会二代目家元の高宮城文子氏らが舞台に上がり、長寿、五穀豊穣、子孫繁栄を願う琉舞の傑作「かぎやで風節」を披露。格調高い演奏で会場の空気を変えた。また、沖縄県から来伯した創作芸団レキオス(照屋忠敏代表)と伯国のレキオス芸能同好会の共演による「大獅子」では、古来から伝わる獅子舞をダイナミックにアレンジし、日伯の琉球芸能が息を合わせて会場を盛り上げた。
第2部では、ミュージシャンの亀井日出克氏と城間健市氏も登場し、琉球音楽と現代音楽が融合した音楽を奏で、観客を新たな境地へと誘った。また、力強いエイサーの演奏は客席の通路でも行われ、観客らは間近で太鼓迫力を楽しむことができた。
レキオス芸能同好会の母体団体に当たる創作芸団レキオスは、1998年に照屋代表を中心として沖縄の伝統芸能であるエイサーをベースにして、獅子舞や空手の型を取り入れ独自の創作による新たな舞台スタイルの確立を目指して創立された新進気鋭の太鼓集団。創立十数年にもかかわらず世界各地で公演を行い、高い評価を受けている。
ブラジルで生まれたレキオス芸能同好会は、創作芸団レキオスの支部とも言える団体で、大嶺氏が2002年に立ち上げた。同氏は1949年に沖縄県具志川市(現うるま市)に生まれ、61年に家族と共に伯国に移住。ブラジルで琉舞を学び、97年に玉城流小太郎会大嶺初枝琉舞道場を開いた。
また、同氏は01年に沖縄で創作芸団レキオスの太鼓に魅せられ、照屋氏から沖縄で猛特訓を受けた。これがきっかけとなり、翌02年にブラジルに帰りレキオ ス芸能同好会を立ち上げた。現在、レキオス同好会には約200人の会員が在籍しており、そのほとんどは3、4世。日本語を話せないメンバーも多いが、沖縄 の伝統文化に魅了され、粘り強さや誠実さを育んでいる。
今回のステージには、沖縄から創作芸団レキオス代表の照屋氏をはじめ、伝統的な琉球舞踊を代表して高宮城氏と琉球舞踊玉城流喜納の会の二代目家元の伊波正江氏、ミュージシャンの亀井氏と城間氏らも来伯して出演した。
また、ブラジルからも長年にわたって琉球舞踊の師範を務めたベテランが舞台に上がり、総出演者数は約300人となった。さらにボランティア数も100人を超え、日伯両国で花開いた琉球文化の祭典となった。
同祭は沖縄文化を伯国で普及させることを目的としており、同イベントの開催実現に向け上原テーリオ実行委員長らがビンゴ大会などを開き、約1年前から資金集めを行ってきた。西本エリオ聖州議員などの協力もあり、アニェエンビーでの公演が実現した。
上原実行委員長は「大嶺さんが自分の夢をかなえてくれた」と感激した様子。呉屋新城春美副実行委員長も「アニェエンビーのような大きな会場での公演はめったにできない。エンターテインメント性のある迫力のある舞台が実現できた」と声を弾ませた。
また、この日、ステージ上では聖州の文化活動に貢献したとして神谷牛太郎聖市義から大嶺初枝夫妻、照屋代表、高宮城氏、伊波氏、亀井氏、城間氏などに銀皿が授与されたほか、照屋代表から大嶺初枝夫妻などにブラジルでの活躍に感謝状が贈られた。
この日の公演のチケットは、粉ミルク1缶とチケット1枚を引き換えに配布されており、集った粉ミルクは「憩の園」「希望の家」「こどものその」「やすらぎホーム」の慈善4団体に寄付されている。
2012年6月12日付
