山本会長「県人会は日系社会の資産」
【既報関連】今年4月1日に発足した北伯県人会協会(以下、北県協)の山本陽三会長(77、香川)と越知恭子副会長(64、広島)が、 13~15日まで開催された日本祭りに合わせて来聖。聖市に到着した12日、堤剛太北県協事務局長(63、宮崎)の案内で本紙を訪れた。北県協の歩みと同 地の日系社会の現状、日系人の傾向について語った。(鮫島由里穂記者)
北県協には現在、同地で活動する16の県人会が所属。パラー州ベレン市にある汎アマゾニア日伯協会(生田勇治会長)会館内に事務室を設置している。
発足時は14県人会が加入していたが、6月9日に開かれた全体会議で、新たにベレン福岡県人会と愛媛県人会の2県人会の参加が決定。越知副会長は 「20(県人会)になる予定」と話し、将来的にパラー州内で活動しているすべての県人会の参加を視野に入れていることを強調した。
現時点で加盟していない県人会は、家族数が少なかったり前会長が死去したりと、それぞれに事情があるという。山本会長は「すぐにとはいかないが、加入に向けて声を掛けようと思っている」と今後について言及した。
山本会長、越知副会長の両氏によると、同地域の日本移民は農業移住者が多く、関西と四国地方の出身者は少ないという。香川出身の山本会長は「同郷の出身者も居るが主力といえる人数ではない」と話した。
同州の日系社会の規模は、サンパウロとパラナに続き3番目と言われている。県人会の中には、200人近い会員を抱える会もあるそうだ。ところが、 10年ほど前は現在より勢いのあった各県人会が近年弱体化。越知副会長は「若い人が興味を持たなくなっている」と現状を説明した。
北県協の現職役員6人は、5月7日に開かれた第1回役員会で承認された。全員1世だ。加入している県人会の会長も16人中14人が1世だという。現在、会議の使用言語は日本語だが、資料は日ポ両語のものを用意。1世の山本会長は「手間を食うね」と笑った。
越知副会長が会長を務めている北伯広島県人会では、以前こんな出来事があった。リーダー研修で訪日し、母県で1カ月間過ごした会員の青年が帰国 後、報告会を開こうと同地の日系青年に声を掛けた。すると、約10人の若者が集まり「それまで1世の年寄りばかりだった」(越知副会長)会がにぎわったと いう。
両氏は「若い人は県人会が何をしているのか分からない。だが、研修などで日本へ行った人は、また行きたがる」と口をそろえる。
山本会長は「日系団体は1世にとって大事な組織。母県はどこの県も協力しようとしている。研修生を引き受けてくれるほか、相談にも乗ってくれる。 日系社会の資産である県人会がつぶれることは、日系社会にとって損失である」と継続に向けた思いを熱弁。「続けられる人に関心を持たさなければ」と続け た。
(つづく)
2012年7月27日付
