旧聞になる。先日、県連主催で行われた第15回フェスティバル・ド・ジャポンの会場で、県連が蚤(のみ)の市と名付けて県人会が母県訪問者や県人から寄 贈され、県人会が死蔵していた様々な品物が売りに出されていた。いわゆるガラクタ市なのだが、こんなものまで売るのか、と思ったのが日本の総理大臣の色 紙。色あせ、カビまで生えているものを売りに出すとは、商魂逞しいというか、消費者を馬鹿にしているとしか思えなかった▼
だが、間部学の額入りカリグラフや南武鉄器や岩手の漆器など色々なものが並べられていた。価格も安く、間部学の作品は市価の半額程度だったのです ぐに売れると眺めていたが、最終日の午後遅くにようやく売れた。漆器も南武鉄器も最後まで売れ残っていた。漆器は、ブラジル人にプレゼントしてもいいと思 い、最後に半額以下に値切って購入した。この蚤の市を見ていて感じたのは、会場を訪れた人たちが、並んでいる品物の価値を分かっていないことだ。プラス チック製のお椀2個が10レアルも出せば購入できるのに、並んでいた漆器は100レアルの値段がつけられていた。漆器がどのようなものかを知らないブラジ ル人には「こんな高いもの」と価格だけで判断するしかないからだ▼
「猫に小判」「豚に真珠」と言えば怒られるかもしれないが、少なくても日系人にはその価値を理解してほしいと思う。1979年、文協で絵画即売会 が開かれたことがある。文協に寄贈されたブラジル人画家や日本人画家の作品を競売したのだが、この時、日本人の有名な画家が描いた仏画が日本円に換算して 数十万円で競り落とされた。数万円から始まった競りも最後は2人の日本から進出している駐在員が競り合ったのだ。価値の分からぬ筆者はあっけに取られて見 ていた。せり落とした御仁に聞けば、「安い買い物だった」と満足げに答えたことを記憶している▼
最近日本から来伯する人たちは100円ショップで買ったような土産しか持参しないが、かつては高価な土産を持参した。それらが今でも日系コロニアには残っている。日系団体は、死蔵しているものがあれば、蚤の市を開いて売ったらどうか。(鈴)
2012年7月28日付
