中村県知事ら慶祝団23人が来伯
ブラジル長崎県人会(川添博会長)の創立50周年記念式典が、2日午前10時から聖市ビラ・マリアーナ区の北海道協会交流センターで開かれた。母県からは中村法道長崎県知事、渡辺敏勝県議会議長、田上富久長崎市長、鶴田誠二同市議会議長など23人の慶祝団が来伯して出席し、亜国やパラグアイの同県人会からも代表者が訪れた。川添会長は「常に、おいたちは長崎んもんばい(私たちは長崎の人間だ)という古里を思う気持ちがあった。次世代へとバトンをつなぎ、さらに母県との交流を拡大していきたい」とあいさつした。
晴天に恵まれた式典には国内外から県人会員や来賓など約200人が参列して半世紀の歩みを祝った。中村知事が「県人会は母県と友好親善を深める大切な財産。海外技術研修員の受け入れなどを継続していく」とあいさつすると、渡辺県議会議長も「県人会の2世3世が、古里を学ぶ場にしてほしい」と続けた。
また、田上市長は「今回の訪問では海外技術研修員のOBとの意見交換会を行い、聖州立長崎県小学校と長崎の小学校が交流を行うことが決まったほか、長崎の伝統芸能を引き継ぐ県人会に龍(じゃ)踊りで使う、龍の頭を寄贈することになった。絆を未来へつなげてほしい」と願いを込めた。
このほか、在サンパウロ日本国領事館の小林雅彦首席領事は同県人会の活動について「広島県人会と共にレジストロ市やイビラプエラ公園で実施している灯籠(とうろう)流しや8月9日に行っている慰霊ミサ、さらには原爆写真展の開催など平和の大切さを伝える活動に力を入れており、総領事館としても感謝している」と述べた。
この後、同県人会の貞方賢彦顧問、鐘ヶ江城治相談役、八木健寿創立会員が功労者として母県より表彰され、85歳以上の高齢者28人(出席者11人)にも知事から表彰状が手渡された。
表彰された樋口愛子さん(91、山口)は1921年に家族と共にブラジルに渡り、モジアナ線のグラビーニョスでカフェ栽培から始めた。2年後に平野植民地に入ったが、マラリアから逃れるためバストスへと移り住んだ。樋口さんの父親はバストス産業組合の溝部幾太専務理事。46年3月に勝ち組から暗殺された。
樋口さんは波乱万丈の人生を振り返り、「私は山口出身だが、主人が長崎出身なのでずっと長崎県人会に入っている。長崎には3回行った。子どもも育て上げたし、いつ死んでもいい。今でも買い物も掃除も自分でしている。今日もメトロで1人で来た」と元気いっぱいに話した。
アトラクションでは、長崎との交流が再開した長崎県小学校の児童がステージで、平和を願う「長崎の鐘」を合唱。中村知事や田上市長、小林首席領事らも壇上で共に歌った。
このほか、県職員らがさだまさし作曲の「長崎がんばらんば体操」を披露。最後には参列者全員で諫早市から寄贈された法被を着て「皿踊り」。終始、笑顔溢れる式典となった。
2012年9月4日付
