ニッケイ新聞 2012年9月7日付け ブラジル日本都道府県人会連合会(園田昭憲会長)がイベント会社に委託して7月29日に実施した『第1回日伯ロードレース』の収支報告が、先月30日の代表者会議で発表され、現時点で10万レアル以上の赤字であることが分かった。経費の明細説明がないとして、県人会長から不満の声が噴出し、執行部役員が謝罪する事態にまで発展した。ある役員によれば、企業への事業委託料は総額25万レ。収入がわずかであることを考えれば、最終的には20万レ強の赤字を抱える可能性があるようだ。 「こんなにかかるとは聞いていない。どういうことだ」―。収入1万レアル、支出11万3千レという大赤字の報告に代表者会議は色めき立った。執行部の「経費についての説明はしたはず」との発言に対し、大西博己氏(広島)は「具体的な数字の提示はなかった」と反論。「言った」「言わない」の言い合いになり、議事録を確認すると、実は説明していなかったことが判明した。同イベントの会計が『第15回日本祭』の一部で、収支の内訳が不明瞭となっていることにも不満の声があがった。内山住勝氏(群馬)は「独立した事業会計とすべき。何に経費が掛かったのか把握できないのはおかしい」と指摘した。これに対し、役員の山田康夫代表者会議長(滋賀)は「執行部のミスがあったことは事実。申し訳ありません」と謝罪。園田会長も「今後、本会計と事業会計は別々に作成する方針としたい」との意向を示した。執行部は赤字について「最大の原因は、支援を表明していた大口のスポンサーが6月になって急きょキャンセルしたこと。それに対応しきれなかった」と説明したが、釈然としない雰囲気のまま報告の承認が行なわれた。つまり、事前に大赤字になることが分かっていたが、中止にしなかったようだ。本紙の取材にある執行部役員は「支出として記載されているのは、委託金の7月支払額のみ。何にいくら使われたかその明細は公表されないので把握出来ていない。そのうえ、8月支払い分が残っており、来月の収支報告でさらに赤字額が増えることになる」と驚くべき内容を明かした。「詳細は分からない」とその役員は繰り返すがこの事業単体でみれば、20万レ以上の大赤字の可能性もあるようだ。同イベントは『日本祭』のテーマ「共存する進歩と環境」の関連イベントとして7月29日に開催され、約1500人が参加した。募集と運営は民間企業への委託によって行われた。
Dia: 10 de setembro de 2012
45年で200人送り出し 母県との懸け橋担う存在に 福岡県人会(南アゴスチーニョ会長)主催のブラジル福岡県人会県費留学生OB会設立記念式典が、1日午後4時から聖市リベルダーデ区のニッケイパレスホテルで開催され、母県から小川洋県知事(63)をはじめ、新村雅彦県議会副議長(59)、武藤英治海外移住家族会会長(60)など計14人が初来伯して出席した。会場には、留学生OB、県人会員や来賓として菊地義治援協会長、本橋幹久県連副会長たちが顔をそろえ、約100人が一堂に会した。 今年で45周年を迎える同県費留学生制度は1967年に始まり、一年も途切れることなく今までに約200人の留学生を送り出してきた。OBたちにこれからも県人会の中核を担ってもらい、母県のことを県人会員に伝えていってほしいという南会長の思いもあり、今年2月に同会を立ち上げることを決定。今回正式に設立された。 南会長(57、3世)は「ブラジル福岡県人会県費留学生OB会は、福岡県と我々県人会の懸け橋になる存在です」と力強く語り、OB会会長に就任した福永ミルトン氏(49、3世)は「私たち留学生の福岡県への感謝は言葉で表すことができません。現在、ブラジル国内でOBたちは様々な分野で活躍しています。心を込めてこれからも頑張り続けるので、留学生制度を続けて下さい」と今後の協力を呼び掛けた。 小川知事は「日本文化・習慣を知り、日本語を駆使できるOBの方々は交流の要となる存在です。OB会が様々な交流分野において、福岡県にとって非常に心強い応援団であります」と褒めたたえた。 新村県議会副議長は「留学生OBにブラジルで福岡県のアピールをしてもらい、福岡県でブラジルのアピールもしてほしい」と期待している。また、武藤移住家族会会長は「今、産声を上げたOB会を大きく育てなければならない。そのためには、さらなる県の応援も必要で、私たち家族会も全力を挙げて応援します」と強い意気込みを示した。 福岡県から同県人会への祝儀が南会長らに手渡された後、県人会から母県への記念品が寄贈された。 2010年に同制度で九州大学法学部法律学科で学んだ弁護士の中村イアラさん(25、4世)は「日本文化を学ぶことができて本当に良かった。知事が留学生制度を大切にしていることが分かってうれしい」と笑顔で話した。 76年に同大学経済学部経営学科で勉強した仁田原テレジニアさん(61、3世)は「今、OB会の連絡帳を作成中で、これからの活動が楽しみです」と満足した様子。また、同式典で日本語の司会を務めた鹿毛アデマールさん(69、2世)は、68年に同大学工学部冶金(やきん)工学科に留学し、日本の伝統を肌で感じ理解できたという。同氏は「これからもOBとして貢献していきたい」と目を輝かせた。 式典後はホテル内で祝賀会が開かれ、小川知事の音頭で乾杯。その後、サンバショーが披露され、来場者もサンバのリズムに合わせて一緒に踊るなど楽しい時間を過ごした。 今後のOB会の活動は未定で、これからの話し合いで決定されるという。福永会長はOB会の一つの活動として、日本企業のブラジル進出を助けることをしたいという考えを明らかにした。 2012年9月6日付
景気回復期待する観光業界 【一部既報】8月中旬にロンドン五輪が終わり、次は2014年のサッカー・ワールドカップ、16年のリオ五輪と大型イベントが目白押しとなっているブラジル。しかし、今年6月にリオ市で開催された「リオプラス20」(国連持続可能な開発会議)では、会場施設が開会間近まで設置されず同地域ホテル価格の高騰などで各国からの出席も敬遠された。その上、伯国内のインフラ整備や治安問題など課題も少なくない。大イベント開催を契機に日伯間のノービザ協定締結も期待されるが、両国の動きは鈍い。旅行業界関係者に現状など話を聞いた。 EMBRATUR(ブラジル観光公社)が発表しているデータによると、国際線到発着数は2011年上半期(1~6月)の435万7969人から、今年の同時期では462万3689人と6・1%増加している。 日系旅行社の話でもブラジルの経済成長に伴い、特に日本からのビジネス客の伯国入国者が増えているという。 しかし、「ブラジルに目を向けてくれることはうれしい」(日系旅行社)としながらも、欧州の経済危機がいつ回復するのかなども懸念されている。さらに、観光客などを受け入れる準備と態勢が伯側で整っていないことが大きな課題となっている。 6月にリオ市で開催されたリオプラス20では、会場となったバーラ・デ・チジュッカ区域の四つ星五つ星クラスのホテルの価格高騰が目立った。また、交通機関や地元ガイドなどの料金も「最低で平常の40%高(旅行業関係者)」と便乗値上げし、国際会議であるにもかかわらず各国からの出席が敬遠されたほどだ。 本紙8月17日付国内面で「過去最大のインフラ計画」として、今後伯政府が30年間で1330億レアルの投資を行うとしているが、特に14年のサッカー・ワールドカップの競技場となる各会場の建設が思うように進んでいない。 そのほか観光業界筋からは「以前のVARIG(航空)時代なら格安の国内エアバスもあったけれど、今は国内の飛行料金も高く、(W杯開催中)各地の競技場に観光客がどれだけ入るのか何とも言えない。各州知事との関係で各地で大会を開催することに決定したことが裏目に出るのでは」と懸念する声もある。 また、在日東京ブラジル総領事館のマルコ・ファラーニ総領事は、日本人を対象としてビザ発給の緩和を今後の課題の一つに挙げているが、日伯間のノービザ協定実現までは話が進みにくい現状の中、単なるリップサービスで終わるのか、本当に実現できるのかは伯国政府の考えに左右されそうだ。 時事通信によると、メキシコ観光局幹部は13年から本格的な日本の観光客調査に乗り出す。その背景にはアジアからメキシコへの観光客は日本人が最も多いことがあり、積極的な宣伝を行っていくという。 一方のブラジルが距離的な問題があるとはいえ、2大イベントを数年後に控えて日本など海外からの観光客及び企業誘致による経済成長を具体的にどのように見込んでいるのかは分かりにくい状況だ。 2001年9月11日の米国同時多発テロ以来、大きなダメージを被ってきた旅行業界。昨年3月の東日本大震災発生で追い打ちをかけられる中、ブラジルでの今後の大イベント開催に向けて、同業界関係者は景気回復を期待している。 2012年9月6日付
