前回提起したロードレースは表面に浮上した現象面をとらえただけだ。県連代表者会議は目先のことだけを追い、中長期的な展望が全くないと言っていいだろう。年間の半分以上をフェスティバル・ド・ジャポンに費やしている。同祭は、単なる資金稼ぎで、黒字か赤字かで一喜一憂している。8月度の代表者会議で話題になったのが、来年の同祭の開催が危ぶまれていることだった。会場のイミグランテス展示場は聖州農務局の所有地だが、運営委託業者の入札が来年3月に行われるため、来年度の賃貸料などの交渉ができないことが問題となっている▼
同祭は、北中南米最大規模の日本紹介展として定着しているため継続したいというが、賃貸料などの値上げが予想され、赤字になる可能性が高いのだ。9月度の代表者会議で継続か中止を決めなければスポンサー集めに影響が出てくる。なぜ先を急ぐのか。県連だけでなく、各県人会も同祭が「金のなる木」だからだろう。郷土食のブースで県人会の活動費を捻出しているところが多い。3万レアル以上の利益を上げているところも1県や2県ではない。同祭は、県人会の婦人部、青年部などを総動員して行うため活性化するし、求心力を増すことは理解できる。だが、もうけた金は何に使われているのか。会員相互の親睦に使っている県が多く、県人会の将来を考え有効利用しているところはどれだけあるのだろうか、と疑いたくなる▼
同祭のマンネリ化は誰もが認めている。ならば、代表者会議で「なぜ継続が必要なのか」を話し合うべきだ。継続するにしても毎年開催する必要はないだろう。隔年でも4年おきでも構わないのではないか。必要なのは、同祭を開催することで県連及び県人会、ひいては日系コロニアがブラジル社会の中で何をアピールしていくのかを構築することが大切なのだ。この話を聞いた知人が「無理だよ。今の県人会長は5年後、10年後には席にはおらず、1年先しか考えられないだろう」と笑った。一国一城の主がこの状態では、目先の利益しか眼中にないということになる。50年、100年先を考えろとは言わない。5年、10年後を考えられない人間が集まって話し合っても、烏合(うごう)の衆でしかない。毎回1000人以上の若い日系人ボランティアが同祭で働いているが、単なる労働力だけを期待しているのか。彼らに顔向けができないだろう。(つづく、鈴)
2012年9月26日付
