「被災者の役に立てれば」
ブラジル都道府県人会連合会(園田昭憲会長)主催の「東北被災地応援ツアー」が14日から始まり、出国直前の同日午後6時から同ツアー結団式が 聖市内の日本食レストランで開かれた。結団式には同ツアーの参加者のほか、県連の園田会長、援協の菊地義治会長、文協の山下譲二副会長らも出席し、ツアー 参加者にはなむけの言葉を送った。同ツアーは援協、文協、岩手、宮城、福島の3県人会の後援。
同ツアーは、被災地の実情を参加者に肌で感じてもらい、被災者の気持ちを共有することで心の絆もより強くなることを考慮して計画された22日間の 旅。参加者は引率の本橋幹久団長を含む17人で、福島県人会の小島友四郎会長をはじめ、8人の福島県人、2人の岩手県人を含めた被災地県出身者で構成され ている。
同ツアーでメーンとなる被災地3県(岩手、宮城、福島県)の訪問では、被災地視察のほか各県庁を訪ねて各県知事に日系団体の代表として義援金を届け、被災地在住の若者を伯国に招待する交流事業を提案するという。
また、9月23日に開催された「第6回弁論大会・第33回スピーチコンテスト」で東日本大震災の被災地について書いた5人の弁論を映した映像や、今年の「第15回フェスティバル・ド・ジャポン(日本祭り)」のDVD、日本語学校で集めた寄せ書きなども県庁に贈与する予定。
さらに同ツアーでは、8日間の自由行動の後、今月30日から11月1日まで東京で行われる「第53回海外日系人大会」への参加(希望者のみ)、東京観光なども含まれている。一行は、11月4日ブラジルに帰国する予定。
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この日の結団式にはツアー参加者をはじめ、約30人が足を運び会食を楽しんだ。後半に日系3団体代表者のあいさつ、ツアー参加者の自己紹介などが行われた。
園田県連会長は「日系社会の代表として行ってほしい」と激励。援協の菊地会長は「これからの被災地県との交流を大事にしてほしい」と話した。
福島県人会の小島会長(79、郡山市)は「僕らは移民としてブラジルに来て、言葉も分からなかったが何とかなった。被災地では言葉も分かるし親戚もいるので、被災者は何とかやらなきゃいけない」というメッセージを被災地で伝えたいと強調した。
震災後1カ月間、絶望に浸りながらNHKを見続けたという岩手県岩手郡出身の山中正二さん(74)は、今回自身が訪日することについて「実際に震災被害を目で見て、被災地について勉強して何か被災地の役に立てることができれば」と真剣な表情で話していた。
本橋団長は「ブラジルからわざわざ来てくれたということが伝われば、絆としてつながるのでは。また、被災地3県の各要望を聞いて、後に続くような交流事業をしていきたい」と抱負を語った。
2012年10月17日付
