【既報関連】7日から12日までブラジルを訪れた高校生平和大使4人が11日、ブラジル被爆者平和協会(森田隆会長)を通じてサンパウロ市イビラプエラ公園脇のサンパウロ州(聖州)議会を表敬訪問した。平和大使を代表して佐藤仁彦さん(18、長崎)が長崎市長が聖州知事にあてたメッセージを羽藤ジョージ州議員に手渡した。その後、放射能について考える意見交換会が実施され、ブラジルの鉱山で被ばくしたレイモンド・ピニェーロさん(64)が「ブラジルではあまり知られていない放射能の脅威を被爆国の日本が率先して伝えてほしい」と訴えるなど、放射能の恐怖について考えさせられる会議となった。
聖州議会チラデンテス小講堂には、カルロス・ジアンナジ氏や羽藤両州議員をはじめ、在サンパウロ日本国総領事館の鈴木暁領事、長崎県人会の大川正夫氏も参加した。冒頭でジアンナジ氏と羽藤氏があいさつ。続いて長崎市長のメッセージが州議会側に手渡された。
その後、震災の映像をまとめたビデオが流され、被災した高野桜さん(18、福島)と佐々木沙耶さん(18、岩手)がそれぞれ、被災地の現状を用意した写真を使い発表した。
会は終盤、意見交換が行われ、招待されたサント・アマーロ旧鉱山採掘施設内で放射能を発する鉱山に触れ、被ばくした6人がそれぞれの意見を述べた。
意見は「気付けば被ばくしていた。当時は放射能に関して情報がなかった」「被ばくしても会社・国から一切の補償がない」といった切実なものが多かった。
また、被爆者協会や同議員らの働きかけにより、被ばく者の補償問題や、同鉱山地域のアパートや協会の建設差し止めを行うなどの動きも被ばく者から紹介され、感謝した様子で訴えていた。
本紙の取材に対し、会に参加した聖州立病院のマリア・カステイロ放射能専門医師は「放射能の研究はブラジルでは遅れている。放射能を認知してもらえるように日本と協力して活動を行いたい」と答えた。
同会でブラジルでのすべての日程を終えた大使4人。少し疲れた様子だったが、「『辛いと思うけど伝えてくれてありがとう』と、交流した学生に言われたことが印象に残った」「またいつかブラジルに来たい」など、それぞれが笑顔で感想を語った。なお4人の大使が「高校生1万人署名活動」の一環として、ブラジルで集められた署名数は214に達した。
2013年3月14日付
