刑事裁判は間もなく刑が確定
5件の訴訟問題を弁護士が報告
神奈川文化援護協会(永田淳会長)の定期総会が8日、第2次招集より1時間遅れた午前11時からサンパウロ市ビラ・マリアーナ区にある同会館で開かれ、28人の役員と関係者が出席した。また臨時総会も同時に行われ、定款改正について話し合われた。総会では2012年度事業・会計報告と、13年度事業計画・予算案が承認されたほか、同会が抱える計5件の刑事・民事の訴訟問題の経過を担当弁護士が報告した。10年に偽弁護士に公金約60万レアルをだまし取られた事件の刑事裁判は、間もなく判決が言い渡され刑が確定するという。
総会は大矢進貞同会副会長が議長を務め、まず永田会長があいさつ。「(総合資産の)60万レアルを今後どう使うか方向性をしっかりと定めたい。次世代に過去の不祥事を持ち込まないための努力が必要」と、任期4年目の決意を述べた。
続いて訴訟問題経過報告が行われ、豊田オスカル弁護士と半田ペドロ弁護士がそれぞれ受け持っている訴訟について状況を報告した。
浅川マルセロ偽弁護士事件の刑事訴訟問題を豊田弁護士が説明し、裁判が昨年9月に行われ現在判決待ちの状況。豊田氏によると「判事いわく判決は初犯のため実刑に処さない可能性もある」という。また被害額のうち約41万レアルは浅川被告の裏付けの情報に欠け、時間、経費がかさむため追及せず、裏付けのある18万3400レアルのみを裁判で審議しているそうだ。
しかし、有罪が下されても浅川被告は現在所在が不明で、連絡が付くかは分からない状況。裁判は近く判決が言い渡される予定だ。
続いて4件の民事訴訟問題を半田弁護士が報告した。同会が訴えている60万レアルの引き出しに関与したとされる10年当時の会長と副会長。また協会の許可なく預金を引き出させた、当時のサンタンデール銀行については、現在第2審判決を待っている状態だ。
また前会館売却の際に書類をそろえた仲介者の森西ユタカ氏から訴えられている裁判では、既に支払っている5万レアルに加え、さらに約9万レアルの支払いが求められている。その後、両者弁護士同士の話し合いにより約7万レアルを支払うことで合意したが、森西氏個人はその額に不満を示し、同件も第2審判決を待っている状況だという。
報告後、大矢氏が会員に向けた意見を述べ、「浅川被告からお金を取り返すのは難しいが、一刻も早い解決を望み、一体誰が何をどうしたのか知りたいだけ。有罪が下されれば似た手口の犯罪の抑止力にもなる」と切実に訴えた。
なお同日、定款改正についての臨時総会も開かれた。定款には前回改正した際に浅川被告のサインが記載されており、根本的な改正を行う予定だ。1カ月後の定例役員会で定款改正について意見を呼び掛け、さらに1カ月後に臨時総会を開催し、改正を決議することで承認された。
12年度一般会計では、収入が7万3405・89レアル、支出10万7251・66レアルで、3万3845・77レアルの赤字。その結果、会館売却などを含めた総合資産は60万8900・89レアルとなった。
コラム【モザイク】
神奈川文化援護協会の一連の刑事・民事の訴訟問題。大矢副会長によると過去に同事件を本紙で扱った際、「うちも同様の被害に遭った」と複数の県人会から連絡があったという。大矢副会長は「コロニアのためにも今後の裁判結果を伝える義務がある」とし、再発防止のため情報を公開する考えを示した。しかし60万レアルをだまし取ったにもかかわらず初犯のため、実刑に処さない可能性が高かったり、容疑者の所在が不明だったり、やったもの勝ちのブラジル社会に、ただ驚くばかり。モザイク子がいかに温厚な国で平和に育ったかを感じる。コロニアの皆さん、本当にお疲れ様です。
2013年4月10日付
