昼食後、ジョインビレ文協集(しゅう)太鼓部の若いメンバー12人が一行の前で演奏してくれた。演目は、神奈川県三崎地方発祥の一つの太鼓を3人でたたく高度な技量が試される「ぶち合わせ太鼓」、滋賀県水口地方発祥の太鼓・鉦(しょう)・篠笛各楽器のコンビネーションが軽快な音を鳴らす「水口囃子(ばやし)」、埼玉県秩父地方発祥の演奏者の独奏が見られる強烈なリズムの「秩父屋台囃子」の3曲。それぞれ違ったタイプの演目でありながらも、部員らは日ごろの練習の成果あって息のぴったり合った演奏を披露し、思わず記者も筆を止めてしまう程だった。
同じく演奏に聴き入っていた邨上清さん(75、2世)は「今までサンパウロなどでも色々な太鼓演奏を見てきたが、今日のが一番良かった。特に鉦や篠笛は演奏が難しいだろうが、見事な躍動感だった」と舌を巻いていた。演奏が披露された後には集太鼓部援助のため、集太鼓部オリジナルのマグカップ購入が呼び掛けられ、あっという間に完売していた。
その後集太鼓部からの希望で、一行と太鼓部員らで記念撮影が行われた。この写真に収まった集太鼓部の桜井征爾さん(20、3世)は、「演奏を聴いていただいた皆さんの笑顔がとてもうれしかった。こうして今後も皆で喜びを共有していきたい」と顔をほころばせていた。
太鼓を通して交流を楽しんだ一行はジョインビレを後にし、90キロ南に位置する次なる目的地、イタジャイを目指した。
イタジャイは人口約19万人で、サンタ・カタリーナ州内陸部の工業地帯に対する外港都市として栄えてきた。1979年にはサンパウロ市内の邦字紙に勤めていた中野博さん(故人)が仲介役をして、同じ港湾都市である千葉県袖ヶ浦(そでがうら)市と姉妹協定を結ぶなど、日本とも少なからぬ縁のある土地だ。
そんな当地にもイタジャイ日伯文化協会(大場レジーナ会長)が存在する。夕食前に同文協へ足を運び、話を聞くことができた。
同文協は87年に設立され、現在約40家族100人が所属している。当地には日系農業植民地(コロニア・ジャポネース)もあるが、基本的に日系人はジョインビレと同じく、他地域から移ってきた専門職の人たちが多い。特に当地は大きな病院があることから、医師が多いという。
同文協の行事としては運動会や焼きそば会などを行っているが、特に力を入れているのは毎年8月開催の「すき焼き会」だ。既に毎年約500人が来場する人気イベントになっているという。(つづく、毛利健人記者)
2013年4月11日付
