一行はその後、フロリアノーポリス近郊にある温泉街のサント・アマーロ・デ・インペラトリスへ向かった。当地の人口は約2万人。1818年にドン・ジョアン6世が温泉の湯治効果に着目して病院を造ったのが街の始まりだ。以降、大きく街が発展することはなかったが、1920年にホテルができたことから温泉街として知られるようになった。源泉の温度は41・5度で、美肌効果などがあるという。
宿泊先のプラザ・カルダス・ダ・インペラトリス・リゾート&スパには六つのプールのほか、サウナや散歩道、スポーツコート、トレーニングジムなどが用意されており、一行は大いに羽を伸ばした。
今回の旅に兄弟で参加していた宝キヨシさん(73、2世)は「ここはご飯もおいしいし、温泉も気持ちよくてパライゾだよ」と温泉に浸かりながら、弟のカズオさんと笑っていた。
また、30年前に当地に来たことがあるという中原陽出子さん(77、2世)は「あのころは小さく古いホテルが一つあっただけで、辺りはただの山だったのに」と、その発展ぶりに驚いていた。
5日目の午後1時半からは、ブラジル健康表現体操協会所属の参加者ら10人が、ホテルのデッキで体操を披露した。最後は一般の人も参加して清々しい山の中でのびのびと身体を動かしていた。
また、5日目にはフロリアノーポリスにオプショナルツアーで参加した人もいた。その1人、草川一郎さん(81、2世)は「プライア(海岸)やつり橋など5カ所を巡ってきた。レストランも魚介類がとてもおいしかった」と満足気な表情を浮かべていた。
5日目の夜は全員が集まっての会食となった。県連の本橋幹久団長(77、鳥取)があいさつに立ち、「過去最大規模のふるさと巡りもここまで無事に終えられて良かった。これも皆さんの協力のお陰だ。南部は新しい日系コロニアが多いが、今後こういった所との付き合い方も考えていく必要がある」と話した。
最終日は朝の出発からバス別の行動となり、サンパウロまでの720キロをバスで約13時間かけて移動した。1号車は午後9時過ぎにサンパウロ市リベルダーデ広場に到着し、6日間の旅行を通して仲良くなった参加者同士の別れを惜しみつつ解散となった。
今回が初参加だった石村典栄さん(84、2世)は「とても素晴らしく、実のある旅だった。特に温泉ホテルではとてもリラックスできた。またぜひ参加したい」と旅の感想を答えた。
同じく初参加だった三宅昭子さん(70、秋田)も「とても旅は楽しかった」と話す一方、「ジョインビレやイタジャイでは現地の日系人の方とあまり交流を深められず、少し残念だった」と今後の改善を希望していた。
なお、次回のふるさと巡りは10月17日~23日にかけて、ドミニカ共和国を訪れる予定だ。ふるさと巡りとしてドミニカ共和国を訪れるのは初めての試みで、サントドミンゴ、ジャラバコア、コンスタンザの3カ所での交流が予定されている。既に多くの申し込みがあり、当初の定員60人を突破したため、定員を拡充して100人まで募集する予定だ。
世界に広がる日本移民の絆が、今後もふるさと巡りの事業を通じて深まることを願うばかりだ。(おわり、毛利健人記者)
2013年4月17日付
