記念式典・敬老会に400人が出席
「若い人たちに日本文化を継承するため、その環境づくりを行うことが我々の仕事」―。ピラール・ド・スール日伯文化体育協会創立60周年記念式典と第35回敬老会が9日、サンパウロ州聖南西地域の同市にある文協会館で開催され、舞台上であいさつした南満(みなみ・みつる)会長(75、福岡)は、そう強調した。式典には地元をはじめ、サンパウロ市(聖市)や聖南西地域などから約400人が詰め掛け、熱心な日本語教育活動と「果物の里」として内外に知られる同地の節目の年を祝った。
式典を前に午前9時からは開拓先亡者慰霊法要が執り行われ、聖市にある西本願寺南米教団伯国別院の松峯慈晄(じこう)総長らが導師として来場。松峯総長の読経により、来賓をはじめ出席者全員が焼香を行った。
午前10時から開催された記念式典には、成田強在サンパウロ総領事館領事部長、園田昭憲県連会長、山村敏明聖南西文化体育連盟会長、小川彰夫同連盟広報担当理事、板垣勝秀ブラジル日本語センター理事長、ピラール・ド・スール市のジャネッテ・ペドリーナ・デ・カルバーリョ・パエス市長、マルコス・アウグスト・デ・ゴエス・ビエイラ同市議長、安部順二連邦下議、羽藤ジョージ聖州議らが来賓として出席した。
先亡者への黙とう、伯日両国国歌及びピラール市歌斉唱に続いて南会長があいさつ。第二次世界大戦が終了した1945年8月に入植が始まった後の53年に48人の会員によって創立された文協の歴史を振り返り、先人の努力と苦労の積み重ねの上に現在の生活が成り立っていることを説明。同式典関係者と、日本語教育支援のために日本から教師を派遣してくれたJICA及び鹿児島県人会への感謝を示し、「日本文化を若い人たちに継承し、その環境づくりを行っていくことが我々の仕事」と述べた。
引き続き、上芝原初美婦人会長、斉藤敏夫老壮会長、森岡田紋(たもん)青年会長、日本語学校生徒を代表して名久井蒼空夫(なくい・そらお)さん(14、3世)がそれぞれあいさつし、今後のさらなる発展を誓った。
「文協創立60周年の歩み」がスライド上映とともに日ポ両語で説明された後、来賓たちの祝辞が披露。福嶌教輝総領事のメッセージを代読した成田領事部長 は、約160世帯の同地の日系人口の中で8割が農業生産に携わっていること、2年前に約15年ぶりに青年会が復活したことや日本語学校校舎の増築等が行わ れることを聞き及んでいるとし、今後の活動への期待感を示した。
その後、文協創立会員夫人5人への記念品贈呈、歴代会長(9人)、最高齢の高橋捨野(すての)さん(104)、白寿者の豊田すぎさん(99)、敬老者80人への表彰が行われた。安部下議からは高橋さん、上芝原さん2人への功労者記念プレートが渡された。
歴代会長を代表して安藤禎重さん(80、福島)が「60年の歴史の重さを十分に感じている」とし、関係者への感謝の言葉を述べた。
会館前での記念碑プレート除幕に続いて、阿部勇吉氏の乾杯の音頭で杯が掲げられ、記念祝賀会が開かれた。
午後2時半からは敬老を目的とした余興も行われ、「親友太鼓」グループの和太鼓演奏を皮切りに、日本語学校生徒による合奏及び合唱「花は咲く」や、聖市の鳥取県人会メンバーによるシャンシャン傘踊りなど約30演目が披露され、来場者の目を楽しませた。
文協創立会員夫人の一人である河津夏子さん(82、2世)は、「初めてこういう表彰を受けて、結構なことです」と笑顔を見せていた。
2013年6月11日付
