心配された天候にも恵まれ
第16回フェスティバル・ド・ジャポン(日本祭り、主催=ブラジル日本都道府県人会連合会)が19~21日、サンパウロ市のイミグランテス展示場で開催され、主催者発表によると約18万人が来場した。期間中は天候に恵まれ、来場者は各催しを楽しんだ。今年は同祭テーマに「地球に優しい技術と進歩」を掲げ、屋内会場一角の日本企業・団体を集約した「日本パビリオン」では、日本関連のさまざまな機械、サービス、食品などが紹介されていた。また53の各県人会・団体が出店した郷土食ブースは今年も大繁盛で、3日間を通じて来場者は日本の技術、食、文化を五感で感じていた。
20日正午からメーンステージで行われた開会式には、日系議員、日本政府関係者、各スポンサー代表や日系団体代表ら28人が壇上に上がり、開会を祝った。県連の園田昭憲会長は「皆さんの協力があって今年も無事開催することができました。心配された天気も問題ありません。サンペドロのお陰でしょう」とあいさつし、式典最後は来賓らが「たる酒」を割って同祭の成功を祈願した。
式典後早速、歌手のマルシアさんが公演を行い、凱旋(がいせん)公演を一目見ようと立ち見客も合わせて推定3000人の人で溢れた。自身最大のヒット曲「ふりむけば横浜」や「時のいたずら」など計6曲を披露。圧巻の歌声と切れのある踊り、ポ語の語りに観客はステージに食い入り、歌い終えるたびに割れんばかりの拍手が起きた。
また「ただいま」と観客に向かって手を振り、自身の生い立ちや歌の最中に涙ぐむ姿も見られた。最後は鳥取県人会コーラス部と一緒にNHK東日本大震災復興テーマソング「花は咲く」を歌い、「また会えますように」と観客に言い残しステージを去った。
同ステージ上では連日、主に若者を対象とした日本人出演者が会場を盛り上げ、日本からフリースタイルフットボール選手の徳田耕太郎さんと、日系ブラジル人ケイ・エドワルドさんによる技の競演や邦楽グループ「和力」の舞台が披露。ツバサさん、井上祐見さんらも出演した。
20日午後9時から開催された「ミス日系コンテスト」は、伯国各地から選ばれた22人の日系美女が全伯一の美をドレスや水着姿で競い、審査員に よって美しさ、調和、カリスマ性、教養、親近感の部門で審査された。その結果、マット・グロッソ州のナガタ・ユミ・パトリシアさん(22)が今年のミス日 系の栄冠に輝いた。
一方、53の県人会と団体が出店した郷土食は例年通りの大盛況。特に20、21日両日の昼時は人気のブースに長蛇の列ができ、混雑する時間帯が続いた。主催者側の情報によると、今年は特に大きな問題はなく各県人会・団体はスムーズに運営できたという。
屋内会場ではトヨタ、ホンダ、ヤマハが大きくブースを設け、一角の「日本パビリオンでは」日本の観光庁やJICA、国際交流基金など政府のブースも目立っ た。また県連が設けた「東日本大震災復興写真展」のブースでは、写真や映像を用いて被災地の様子が説明され、来場者は神妙な面持ちで眺めていた。
そのほか、SANJO(サンジョアキン日系農協)やAPPC(パウリスタ柿生産者協会)といった日系果樹組合が販売する生産物を買い求める人や、会場数カ 所で用意された畳に寝転がる人。健康コーナーでマッサージを受けてリラックスする人や、折り紙や書道体験を通じて日本文化を知る人など来場者は思い思いの 時間を過ごしていた。
同祭を終え園田会長は「表の華やかさとは異なり、期間中は水も飲めないほど多忙だった。昨年と同じく、駐車場やステージ進行の遅れなど細かい問題はあったが、来場したほとんどの人が喜んでくれたと思う」と総括した。
コラム【モザイク】
21日に閉幕した日本祭りだが、来年以降はどうなるのだろうか。情報によると同会場使用代が来年は30%上がると聞くし、指揮官だった園田県連会長も今期で勇退する。園田会長は「次の会長には、レールをしっかりと敷いて引き継ぐ」と述べているが、次期会長には多くの困難が待ち構えていることには変わりないだろう。しかし、実行委員長、県連会長が誰であれ、毎年同祭を楽しみにしているブラジル人にとっては「日本人が開催した祭り」としての認識でしかなく、規模、内容はどうであれ日本人の誇りにかけて、来年も無事に開催されることを願う。
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盛況の中で幕を閉じたロボットコンテスト。日本からは、東京工業大学と東京電機大学から学生8人が参加した。8人ともに各大学の選考を勝ち抜いた実力者。開催2週間前からサンパウロに滞在し、各国の学生たちと製作するロボットについて、昼夜問わず論議したという。参加者の一人、東京電機大学4年生の若林まいさん(22)は「チームメートは積極的に意見を出してくれたけど、皆が自分のアイデアを押し通そうとするので、意見をまとめるのにとても苦労した」と振り返り、「だけどそれも、日本ではできない経験の一つだったと思う」と語った。「日本が海外に良い影響を与えることで、外国に住む日本人もそこで生活しやすくなる」というのは以前どこかで聞いた言葉。「科学技術立国」の未来を担う彼らの今後に期待したい、と思う他力本願なモザイク子。
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日本祭りでミス日系の取材を担当したモザイク子。日程の変更があった場合を考えて午後6時45分開始予定のところを午後5時半からメーンステージにスタンバイ。和太鼓やサンバショーの迫力あるステージを楽しめたのは良かったのだが、どうやら全くプログラム通りに進行していない様子。順番はバラバラ、それどころか予定にない出し物も多々あり、それぞれの時間の長いこと長いこと。結局、ミス日系が始まったのは午後9時を過ぎ、終わったのは午後11時半。そのころには観客もまばらになり、残っていた皆さんの顔にも疲れの色が。時間が遅れがちなのは前年を省みたなら分かっていたはず。何の改善もされていないのは、いかがなものか。
2013年7月24日付
