長崎市と姉妹都市提携を結ぶサントス市では長崎に原爆が投下された日に合わせ、サントス日本人会(関谷アルシデス会長)主催の核兵器廃絶平和記念式典が9日午前9時から移民上陸記念像があるサントス市ロベルト・サンチーニ公園で行われ、約250人の来場者たちが平和への祈りを捧げた。
同式典は長崎県人会(川添博会長)、ブラジル被爆者平和協会(森田隆会長)、サントス市役所の後援によるもの。
式典には発案者である中井貞夫サントス市議会議長をはじめ、同市役所のマルセロ・デル・ボスコ市民局局長、パウラ・クァグリアット国際交流担当部部長、大西博巳広島県人会長らが来賓として出席した。
関谷会長はあいさつの中で核廃絶の重要性を強調した上で、「68年たった今でも悲しみを風化させないように、そして戦争や原爆を知らない子どもたちが平和について考えるきっかけになれば」と同式典の意義を語った。
また、川添会長は式典開催に際し、日本人会、市議会ならびに市役所に感謝の辞を述べた。
あいさつ後、婦人部が長崎県民歌を歌ったほか、中学生コーラスや花柳流の日本舞踊が披露された。式典の最後には来場者全員で「移民の像」を囲んで手をつなぎ、原爆犠牲者に1分間の黙とうを捧げた。
そのほか、会場に集まった地域内の小中学校の生徒たちが平和への思いをつづった寄せ書きを制作した。完成した寄せ書きは長崎市の学校に贈ることが検討されている。
なお、サントス日本人会は式典に合わせて6日から10日まで同会館で原爆写真展を開催し、多くの来場者が原爆の悲惨さを目の当たりにした。
31枚の写真を提供した長崎県人会の川添会長は「『百聞は一見にしかず』とことわざにあるように、写真を見れば核兵器のむごさが重く伝わる」と説明し、「ブラジルでは原爆と言っても何のことか分からない若者も多い。ぜひ平和学習に役立ててほしい」と期待を示した。
コラム【モザイク】
サントスの平和記念式典の会場には長崎の平和記念像のパネルが設置され、川添博長崎県人会長があいさつの中で像に込められた意味を解説した。原爆投下の現場を指した右手はその悲惨さを、広げた左手は世界の平和を、閉じた目は犠牲者に対する慰霊を表わしているということは皆さんご存知か。モザイク子は修学旅行で長崎を訪れたにもかかわらず、平和学習が足りなかったようだ。日本から一番遠い国に来てその事実を知るとは……。
2013年8月13日付
