【一部既報】「三重プロモーション」の一環として、21日午前9時半からサンパウロ(聖)市ビラ・マリアーナ区の三重県人会館で観光案内説明会が開かれ、来伯していた鈴木英敬三重県知事が母県の魅力をアピールした。
観光関連企業やマスコミ関係者など約40社を招いて行われたこの日の説明会で鈴木知事は、19日にジェラルド・アルキミン聖州知事との共同宣言の中で40年前の姉妹都市提携時には無かった「観光」についても交わされたことの意義を強調。2012年度のブラジルから三重県への訪問者数が約3万2000人と前年度対比74%増加していることを挙げ、ブラジルから日本観光の日程の中に三重県内の観光を組み込んでもらえるよう協力を求めた。
「三重にしかないもの=日本人の心の古里」を基本理念として、(1)伊勢神宮(2)忍者(3)鈴鹿の3本を柱にその魅力をアピールした鈴木知事。(1)については、約2000年前に始まった伊勢神宮が日本の神社の頂点であり、今年が20年に1回の「式年遷宮(しきねんせんぐう」の年であるとし、その目的として「神様に常に若々しく住んでもらうこと」と説明した。
(2)は、伊賀市にある「伊賀流忍者博物館」で「阿修羅(あしゅら)」と呼ばれるメンバーたちが忍者ショーを実施し、訪問者は忍者体験を満喫できるという。
(3)は、日本で唯一のFIレースが開催される鈴鹿サーキット場が同市にあり、アイルトン・セナが同サーキットで2回優勝していることなどを挙げた。
そのほか、御在所岳、長島温泉などの観光地や松阪牛、ミキモト真珠などの名産についても紹介し、三重県への観光訪問を促した。
出席した旅行関係者からは、三重の観光資源をよりよく知るための同県への招待旅行実施を要望する意見が出され、鈴木知事も「議会とも相談しながらぜひ、検討したい」と話していた。
鈴木知事は今後のブラジルとの経済交流の具体策についての本紙の質問に、製造業関連分野での協力ではカーボンやリチウムイオン電池など高付加価値のある材料を将来的に取引するなどし、三重県の認知度を高めていく考えを示した。また、調味料や豆腐、茶などの日本食分野でもブラジル側の反応を見ながらビジネスチャンスを構築していくことに意欲を見せた。
さらに、以前から日伯関係の中で懸案事項となっているノービザ協定について鈴木知事は「三重県が先頭に立って、ブラジル人の多い(静岡県)浜松市など各首長たちと連絡を取り、外務大臣や法務大臣をはじめ、日伯議員連盟の麻生(太郎)さんたちへも働きかけたい。来年はサッカー・ワールドカップも開催されるし、ぜひとも実現させたい」と自ら率先して実現させていく意気込みを示した。
コラム【モザイク】
「日本一若くて、日本一サンバが上手な知事」と自ら紹介していた三重県の鈴木知事。この日にブラジルを離れたこともあって「この場所(三重県人会館)でサンバを踊ったことは忘れられません」と感慨深げだった。一方、同知事はミキモト真珠の説明の際、知事夫人がシンクロナイズドスイミングの元五輪メダリストだったことを打ち明け、「水に潜ることが得意な彼女でも、海女さんのようには海で貝は取れません」と笑いを誘いながら海女の仕事の奥深さを説いていた。「海女(アマ)と」呼ばれてもプロの仕事を行う海女さんは、日本全国で2000人いるうち、三重県内でその半分の1000人もいるというから驚き。
◎
三重県関係者から聞いた話によると、伊勢神宮の「神様の引っ越し」と言われる歴史的な行事である20年に1回の「式年遷宮」は今年がちょうどその年に当たるそうだが、6年間かけて「ご神体」を移動させ、次世代にその技術を伝達することも目的の一つだとか。今回は東から西に移動させ、その費用は550億円も掛かるそうな。昔はその費用を国が出していたそうだが、今では伊勢神宮が全国の神社などに寄付を募り、その費用を集めているとも。金は、有るところには有るもんですな。
2013年8月28日付
