原始林散策道の整備など
【既報関連】今年8月に創立15周年を迎えた「アマゾン群馬の森」。1992年にリオ市で開催された「地球環境サミット」でアマゾン熱帯雨林の重要性が再認識されたことを機会に、その思いに共鳴した当時の群馬県知事・小寺弘之氏(故人)を中心に母県で集められた募金3000万円で540ヘクタールの土地を購入した。2009年までは県から補助金が送られていたものの、その後県側の体制変化などで打ち切りとなり、現在は厳しい運営状態が続く。「群馬の森」を所有管理している在北伯群馬県人会の岡島博会長(72)に話を聞いた。
「群馬の森」はパラー州ベレン市から北東に約50キロの距離にあるサンタ・バルバラ市に位置し、約540ヘクタールの面積のうち、400ヘクタールが原始林、140ヘクタールが再生林となっている。
森は約100年前からポルトガル系移民たちが農業用地として使用していた。92年のリオ市での地球環境サミットを経て、在北伯群馬県人会が熱帯雨林保護を目的に「アマゾン群馬の森」設置を母県に陳情。当時の小寺県知事を会長とした「アマゾンに群馬の森を作る会」を中心に、「県民の手によるアマゾンに群馬の森」募金実行委員会(久保田富一郎会長=当時)が組織され、県内の550団体と延べ数千人により3000万円の資金が集められた。
96年に540ヘクタールの森を購入し、在北伯群馬県人会の名義での登記を完了。98年には敷地内に同群馬県人会館と研究棟が完成した。
その後、群馬県内で組織されたNPO法人「森の会」が植樹団を「群馬の森」に派遣。「こども緑の大使」らが植樹活動を行うなどし、母県の民間団体なども協力して毎年、県側から200万円の補助金が送られていた。
しかし、県側の体制変化や財政的な問題などから2009年に補助金が打ち切られ、その後は岡島会長が個人的に資金を出すなどして運営を行っているが、厳しい状況が続いている。
森には、将来的な資金確保などを目的に25ヘクタールの再生林の土地に1500本のブラジル・マホガニーと1000本のアフリカ・マホガニーがアサイーな どの有用植物と一緒に混植されている。昨年8月には、IBAMA(国立再生可能天然資源・環境院)が管轄するSEMA(パラー州環境局)から、植樹したマ ホガニーの部分的伐採可能の許可が下りたが、伐採したマホガニーの海外への輸出は禁止されたままで販売はブラジル国内のみに限られ、短期的な資金確保は難 しい状態だ。
岡島会長は現在、「群馬の森」を維持管理するためのスポンサー探しなども行っているが、実質的な解決のめどは立っていない。
しかし、「群馬の森」では毎年8月に地元の人々との交流を目的とした「サンタ・ローザ」のミサをはじめ、県人会の新年会総会や森への来客対応などを行って いる。特にベレン市や地元周辺の小中学校の生徒など年間約500人が同地を訪問し、青少年の環境学習にも貢献している。
今後の方向性について岡島会長は、「ベレン市、パラー州やその他の地域からの来訪者が気軽に来て原始林に自然に触れるように散策する道を整備するなど、身近にできることからやっていきたい」と話し、「これまでの15年、一緒にやってきてくれた仲間たちに顔向けできるよう新しいスポンサー探しからやっていき たい」と節目の年を機会に新たな意気込みを見せている。
2013年10月10日付
