「対立ではなく互いの歩み寄りを」
宮城県人会(中沢宏一会長)の臨時総会が、5日午後3時よりサンパウロ(聖)市リベルダーデ区の同会館で行われた。「サンパウロ仙台七夕祭開催の件」と銘打たれた同総会では、2007年のリベルダーデ文化福祉協会(ACAL、池崎博文会長)による七夕祭の商標登録に端を発し、今年同県人会が不参加に至った経緯と、来年の共同開催に向けての問題提起と方針について発表され、県人会員など約20人が出席した。
臨時総会で説明された宮城県人会の主張によれば、一連の騒動は大きく(1)07~09年、ACALによる七夕祭の商標登録と七夕契約書の締結(2)09~12年の共同計算の清算拒否の問題(3)13年、宮城県人会の七夕祭不参加とACALの単独開催、の三つの段階に分けて考えることができる。
(1)は、07年にACALが「SENDAI TANA BATA MATSURI」「SAO PAULO LIBER DADE SENDAI TANA BATA MATSURI」の商標登録を完了し、書面で宮城県人会の名称使用の禁止を言い渡した。これに対し、同県人会は弁護士をたてACALに取り下げ要求の文書を送付するも解決には至らず、最終的には聖市役所の仲裁で県人会が主催を守った。ちなみに、この仲裁に法的拘束力はない。
なおACALの商標登録申請について、同県人会は02年に動きを察知していたが、常識的に考えて正式に登録できるはずがないと静観していたという。
08年、宮城県人会は100周年記念協会とACALより、ACAL主導の下で同県人会が協力して七夕祭りを開催するよう文書で要請を受けた。同県人会はこれに異議を申し入れ、書面で撤回を要求。最終的には、前年同様聖市役所の仲裁で県人会が主催を守った。
09年、ACALとの関係悪化を受け、宮城県人会は七夕祭を両者の共催行事とする「七夕契約書」を正式に登記。契約書では、同県人会が七夕祭りの 商標登録に対する法的抗議を取り下げる代わりに、いつどこでも商標を使用できる旨や、同県人会とACALの役割分担(宮城県人会が七夕飾りの製作及び飾り 付け、短冊関係、七夕文化行事全般を担当。ACALが祭開催のための会場使用の手続きや公機関への許可取り、当日のプログラム作成や招待者及びショーに参 加する人の応対を担当)を明記。また役割分担以外の経費は「共同計算」とし、両者で話し合いで公平に負担することなど、七つの条項が記載されている。
(2)は、09年に七夕祭が正式に共同開催となった後、七夕契約書内の「共同計算」を巡って、10年、12年に内訳などで合意に至らず、ACALが清算を拒否。その結果、現在までACALが2年間分を未清算のままとなっている。なお09年と11年は清算済み。
(3) は、ACALの過去2年間分の清算拒否問題と、七夕契約書の中で定めた宮城県人会の短冊販売の権利などを巡って祭開催直前になっても両者が条件面で合意に 至らず、その結果、押し切る形でACALが単独で開催した。これに対し同県人会は、契約書内で定めた共同での開催に違反すると主張。法的な抗議を行った。
◆来年の共同開催の方針と今後の提案
宮城県人会は、今年の七夕祭不参加に至る経緯を説明した後、来年は、09年に締結した七夕契約書に基づきACALと共同で開催する意向を示した。その上で問題解決の方針と今後への提案を述べた。
ACALが登録した七夕祭の商標については日本の伝統的な祭を私有化したと解釈し、「対宮城県人会」の問題ではなく、国際法の見地に立って国に問題解決を委ねるという。
過去の未清算分の支払いについては、契約書通りに清算が行われた11年にのっとり、同様の清算を促す。
また、本年度報告書及び次年度計画書の期日までの作成と、本年度決算書及び次年度予算書の期日までの作成を要求。さらにACALと宮城県人会が5人ずつ選出し、構成する七夕祭委員会の意思決定速度を上げる提案もなされた。
加えて、中国系店舗の増加によるガルボン・ブエノ街の装飾の難しさへの懸念や、作業効率を考慮した竹の搬入時間の再考、限られたスペースの利用方法など、環境面の提言も行った。
総会最後の質疑応答では宮城県人会員らから、「ACALと対立するのでなく、歩み寄ることで七夕祭を開催したい。そのために会員を集めてより十分な議論を重ねるべきだ」という声も上がった。
2013年10月11日付
