母県から副知事、議長ら88人
「明日からは次の100年のスタート」―。ブラジル鹿児島県人会(園田昭憲会長)創立100周年および県人移住105周年の記念式典が、20日午前10時半からサンパウロ(聖)市イビラプエラ区の聖州議会で開催された。母県から布袋嘉之副知事、池畑憲一県議会議長をはじめとする慶祝訪問団88人が来伯して出席。当日は県人関係者、来賓を合わせて約600人が一堂に会し、コロニア最古の県人会の100年の節目を祝った。
鹿児島県人のブラジル移住は1908年の第1回「笠戸丸」に乗船した172人に始まり、戦前戦後を合わせた移住者数は7081人に上る。現在の県系人は推定で3万9000人を超えているという。
同会が州議会で周年式典を開くのは初めて。会場となった議会議事堂には、同議会での開催に協力した羽藤ジョージ聖州議、園田会長を中心に、布袋副知事、池畑議長、川畑隆・県海外移住家族会会長、森博幸鹿児島市長はじめ県内各市長・市議など母県関係者、福嶌教輝在サンパウロ日本国総領事、安部順二連邦下議、日系団体代表らが並んだ。パラグアイ、アルゼンチン、タイ、香港、ベトナムの県人会代表者らも出席した。
日伯両国国歌斉唱、県人開拓先没者に対する黙祷後、羽藤州議が同会場を利用する規約を読み上げ、「日伯で一番古い誕生日を祝福するのは州議会にとっても大きな喜び」と言葉を付け加えた。
続いてあいさつに立った園田会長は鹿児島県民移住の歴史を振り返り、「式典を開催できたのは家族愛、隣人愛をモットーにした先人たちのご努力の賜である」と感謝。さらに「今日こうして100周年を祝ったら、明日からは次の100年のスタート。100年を大切な財産として検証し、次世代へ継承していきたい」と今後の県人会の健勝と発展を誓った。
今回来伯できなかった伊藤祐一郎県知事はビデオメッセージによりあいさつ。県人会の活動について「県人移住者の情報収集、親睦活動、子弟の育成な どの取り組みなど、鹿児島との交流に大きな役割を果たしていただいた」と功績を称えた。加えて昭和45(1970)年度から実施している県費留学生制度を 100周年を機会に、現在1人の枠を2人に増員することを伝え「鹿児島および日本とブラジルの絆をより一層深める橋渡しになっていただきたい」と同留学生 への期待を表した。
各来賓のあいさつに続き、記念切手発行の調印式、県知事表彰と県人会表彰が行われ、各表彰に該当する代表者が賞状と記念品を受け取り、州議会での式典を終了。その後は議事堂入口ホールに場所を移し、式典の第2部が開催された。
県知事表彰者(80歳以上の表彰対象者72人)を代表して小森廣さん(84)、県人会表彰者(75歳以上の表彰対象者198人)を代表して大羽豪三さん (77)、また県費留学生・海外技術研修生を代表して加賀城グラウシアめぐみさん(2010年度県費留学生)、鹿児島県ブラジル実習生を代表して本紙で研修中の出水翔子さん(20)がそれぞれ県、県人会側に謝辞を述べた。
終了後は来賓、関係者による鏡割りとケーキカットが行われ、祝賀昼食会へ。「遠いところからおやっとさあごわしたなあ(お疲れ様です)」と慶祝団と、在伯県人との交流や、ブラジル内でも何年、何十年ぶりに再会した出席者も多く見られた。
慶祝訪問団として南九州市頴娃(えい)町から訪れた原田義幸さん(75)は、いとこで聖市内在住の西村政美さん(70)と5年ぶりの再会を果たした。原田 さんは「昔は手紙のやり取りで苦しい生活をしていると聞いて心配していた。しかしいつしか私よりいい生活をしている。嬉しい限り」と喜び、同町出身らと楽 しげに会話を交わしていた。
サンバショー後、小森廣相談役の音頭により万歳三唱、井料堅治参与が閉会の辞を述べて締めくくり、盛り上がりの余韻(よいん)を残しながら午後3時過ぎに全日程を終えた。
コラム【モザイク】
サンパウロ州の中核で行われた鹿児島県人会の100周年式典。コロニアの先陣を切って県人の親睦を担った同会にとって正に相応しい場所で、出席者からは自信にも似たオーラが感じ取れた。当然、同県出身のモザイク子にしても誇らしく、今年、数多く開催された県人会周年事業の中でも最大の規模だっただろう。また式典には多くの県人会表彰対象者も出席しており、対象者には一般市民はまず座る機会はないであろう議員席が用意されていて、革張りのふかふかの席にご満悦な様子だった。そんな式典の様子は地元の新聞社やテレビ局でも扱われており、遠く離れた母県のほうが本紙より1日以上早く報道されている模様。
◎
定刻を過ぎて来場する出席者が絶えず、やむなく30分遅れで開始した鹿児島県人会100周年式典。打ち合わせの段階で「絶対に時間通り進行するぞ」と分刻みの細かい計画を立てていた県人会はさぞ焦ったことだろう。そんな中、司会の谷口雅治書記が日ポ語訳をしながらも手際よくスケジュールを裁き、予定通り午後3時に閉会することができた。州議会で同式典のような市民的な行事が行われることはあまりなく、マイク音が響きすぎたり、来場者に対して会場が狭かったりといった小さな問題はあったが、終わり良ければ全てよし?
2013年10月22日付
