人材交流と経済的結び付き強化も
ブラジル山形県人会(押切フラビオ壮会長)は、27日午前9時半から同県人会創立60周年及び県人移住106周年記念式典をサンパウロ(聖)市リベルダーデ区の宮城県人会館で開催した。母県から吉村美栄子県知事、鈴木正法県議会議長をはじめとする46人の慶祝団が駆け付け、250人以上の出席者で節目の年を盛大に祝った。
午前9時半に始まった記念式典には安部順二連邦下議、羽藤ジョージ聖州議、野村アウレリオ聖市議、福嶌教輝在聖総領事、吉村知事、鈴木議長、JA山形中央会の長沢豊会長、日系3団体代表らが来賓として出席した。
歌人・南樹としても知られる同県出身の鈴木貞次郎氏が1907年、笠戸丸移民より1年先立ちブラジルに移住したことが記録に残っていることから、当日は県人移住106年も合わせて祝われ、押切会長はあいさつの中で「山形県人は長い歴史の中で苦労に耐えながらも努力を惜しまず、遠く離れたブラジルで現在のような豊かな暮らしと信用を手に入れた。このような晴れの日を迎えることができてうれしい。関係者の皆さんに心から感謝する」と述べた。
吉村知事は式典前日に開拓先亡者慰霊碑や移民史料館を訪れて感銘を受けたと話し、古里と全く異なる環境での同県人会員らの苦労をねぎらい、活躍をたたえた。また、東日本大震災の「応援県」として、がれきをいち早く受け入れ、ボランティア率が全国1位になるなど復興のために尽力している母県の様子を伝えた上で、ブラジルからの援助に感謝の意を示した。
鈴木議長、福嶌総領事の祝辞に続き祝辞を述べた長沢JA山形会長は、「1989年から6年間、国際農業体験実習制度を通じて受け入れた26人の研修生は現在、地域農業で主導的に活躍している。県人会の開拓精神に学び、今後も農業や国際交流を通じた豊かな地域社会作りに貢献していきたい」と意気込みを語った。
その後、本橋県連副会長、羽藤州議、安部下議の祝辞、祝電披露に続いて功労者表彰が行われ、吉村知事から県人会役員、支部長らにそれぞれ表彰状と感謝状が贈呈された。また高齢者表彰は県人会から85歳以上の会員28人に贈られた。
記念品交換では県人会から吉村知事、鈴木議長、JA山形の長沢会長に県人会名誉顧問の画家・豊田豊氏の作品が、3氏から県人会へはそれぞれ「おしん」のこけし、打ち出の小槌、ひょっとこが贈られ、特に豊田氏の高校の後輩であるという鈴木議長は感激した様子だった。
引き続き県知事から日系3団体への寄付、技術研修生代表謝辞、県民歌斉唱が行われ、斉藤保県人会副会長の閉会の辞によって式典は時間通りに幕を閉じた。
式典後はアトラクションとして母県からの民謡使節団(佐々木英治団長)の民謡ジャパニーズ・ダンス・カンパニー「優美」による踊りや「喜楽」太鼓が披露さ れ、来場者たちから大きな拍手が沸き起こった。その後記念祝賀会が開かれ、食事や懇談を楽しんだ来場者たちは、サンバショーで知事一行を含め皆が一緒に なって踊り、大きな盛り上がりを見せた。
今回初めてブラジルを訪れたという吉村知事は、「県人会の皆さんが温かく迎えてくれて感激。人材交流はもちろんのこと、これからは日本酒などの産業で経済的結び付きも強めていきたい」と抱負を語った。
2013年10月29日付
