48年間で通算146人が受賞
第43回山本喜誉司賞受賞の授賞式が、8日午後7時からサンパウロ(聖)市リベルダーデ区の文協ビル2階貴賓室で行われ、新宅義美氏(76、2世)、松原宗文氏(75、2世)、岡島博氏(72、群馬)、堀田ワルテル幸夫氏(50、2世)の4人に記念プレートと記念品が手渡された。初代文協会長で農学博士だった故山本喜誉司氏の名前を冠した同賞は1965年、ブラジル農業技術研究会(ABETA)によって創設され、48年となる今年で通算146人が受賞した。
授賞式には来賓として、福嶌教輝在サンパウロ総領事、深野昭国際交流基金サンパウロ日本文化センター所長、遠藤浩昭JICAブラジル事務所次長、菊地義治援協会長、本橋幹久県連副会長、山本喜誉司氏の孫に当たる山本ルイス氏が出席したほか、受賞者の家族や友人、関係者など約150人が出席した。
日伯両国歌斉唱、協力者紹介の後、山添源二同賞選考委員長があいさつ。同賞がブラジル農業分野で最も古く、受賞者の大部分が日系である中、一部研究者など非日系も対象になってきたことを説明。「日系の多様化と食生活の変化の中で農業の技術革新が行われてきたが、今回はパラー州、バイア州、マット・グロッソ州、サンパウロ州とブラジルの東西南北から受賞者が出たことは、日系人がいかに広いブラジルで活躍しているかが分かる」と述べ、4氏の功績を褒めたたえた。
山下譲二文協副会長の式辞に続き、今回初めて受賞者の功績がビデオ上映で紹介され、一人ずつ記念プレートと記念品が本人と夫人に手渡された。
福嶌総領事は4人の受賞者への祝辞を述べ、同賞を支えてきた文協及び選考委員会への感謝の意を表し、「ブラジルは世界の農業大国として掛け替えのない国。日系社会の汗と涙でその地位を勝ち取ってきたが、その中でも特に農業分野で活躍する人々には心から敬意を表したい」と激励した。
パラー州カスタニャール市で絶滅危惧種に指定されているブラジル・マホガニーの植林やカカオ栽培に取り組む岡島氏は「北伯日本人移住者として精一杯生きて きましたが、思いもかけぬ栄誉をいただきました。この栄誉を一生の宝とし、最後の命の炎が消えるまで最善を尽くします。尊敬する南伯農業組合の理事長だっ た中澤源一郎氏の教えを基に今後とも生きていきます」と謝辞を述べ、思いを新たにしていた。
バイア州バレイラス市で大型機械農業を実践 し、綿、大豆、トウモロコシの栽培面積が9万3000ヘクタールに及ぶという堀田氏はポ語で謝辞を述べ、「この賞を受けたことをまずは父親に報告したい」 とし、「この国(ブラジル)の農業を良くすることで世界の農業が少しずつ良くなれば」と、さらなる躍進を進めていく考えを示した。
マッ ト・グロッソ州北部開発に貢献した松原氏は、ブラジルの農地開発が1970年代に当時の田中角栄首相がブラジルとのナショナル・プロジェクトとして実践し た「セラード開発」が大きな影響を与えたことに言及。同賞受賞については既に他界している父親から「よくやったと思ってくれているのでは」と語り笑顔を見 せた。
聖州マリリア市で養鶏技術を駆使し、高品質の卵を生産している新宅氏は、農業生産以外にマリリア文協会長として90年代にJICA 日本語モデル校を開設させたことと野球のグラウンドを造成したことが子弟たちの育成につながったことを喜び、「何も特別なことをしてきたわけではないが、 マリリアの発展に貢献できたことに満足している」と本紙の質問に答え、充実した表情を浮かべていた。
2013年11月12日付
