安全性と品質が魅力
兵庫県漁業協同組合連合会(山田隆義代表理事会長)から突々淳(とっとつ・きよし)参事(55)、多田義治顧問(70)、小林豊弘のり海藻事業本部次長、株式会社グローバル事業開発研究所の中野正也代表取締役(58)が17日より来伯し、ブラジルでの兵庫県産海苔(のり)の販売調査を行った。
同会が最初にブラジルで海苔の販売を検討したのは4年前。農林水産省から委託され、三菱総合研究所と組んで市場調査をしたところ、ブラジルでは中国産海苔が市場の95%を占め、残り5%は韓国産という結果が出た。中国産の海苔は、パッケージを日本産であるかのように見せた商品がほとんどだという。
中国産が選ばれる理由は価格の安さだったが、ブラジルが高級品への志向が高いことに着目し、同会は最高級の海苔で調査。高評価ではあったが、最終的にブラジルの消費者の元に届く値段が日本の4倍まで跳ね上がるため、すぐに事業化するのは難しく、また品質と同時に価格も調整しなければならないという結論が出た。
そして現在、中国産海苔の価格が4年前の倍に上昇したのに対し、日本産海苔は低下。価格差が縮まったことで、同会は本格的にブラジルへの輸出を再検討した。
販売する海苔には、焼き海苔と味付け海苔の2種類があり、焼き、味付けの加工済のものを日本からブラジルへ輸出する従来の販売方法に加え、日本から原料を輸出し、ブラジルで生産する方法も検討。飲食店や流通業者にも相談し、可能性を探った。
結果的には1年後のブラジルの景気が読めないことなどから、伯国で加工するための工場を建てるのは時期尚早と判断。日本で加工した海苔を輸出するところからテストすると決定した。
またブラジルでは、巻きずしなどで食べる焼き海苔は浸透しているが、味付け海苔はほとんど知られておらず、滞在中、どのような味が好まれるかの試食調査も行った。味は4種類で、日本で最も一般的な砂糖しょうゆ味、ブラジル用に開発した甘い味付け海苔、わさび味、塩味を試し、砂糖しょうゆ味とわさび味の評判が良かったという。
同会は「今なら価格的に戦える。海苔は非日系人にも浸透しており、事業として日本産海苔を普及させたい」と意気込み、日本産海苔の魅力は「安全性と品質。また中国産は噛み切れないという課題があるようなので、日本産のパリパリとした海苔は喜ばれるはず」と語った。
また同会は直近のめどとして、「中国産より1、2割高いくらいの価格設定で、できるだけ早く見積もりとサンプルを出し、年内には動けるようにしたい」と話し、「ゆくゆくは原料をブラジルへ送って加工するようにしたい。そうなれば産業、雇用の創出にもつながる。また、日本で販売されているおにぎりのように、フィルムに入れてパリパリ感を保つ加工などもできるようになれば」と展望を語った。
2014年2月28日付
