物産品の試食試飲も好評
在伯和歌山県人会連合会(木原好規会長)創立60周年祝福のため来伯した和歌山県(仁坂吉伸県知事)慶祝団が4月28日、サンパウロ(聖)市セルケーラ・セザール区のブルーツリープレミアムパウリスタ・ホテルで自県の観光や特産物を紹介する「和歌山セミナー」を開催。来賓やブラジル(伯国)の食品関係者など約100人が来場し、セミナー終了後には地元食品企業による試食試飲会や商談が行われた。
同セミナーでは、在サンパウロ日本国総領事館の福嶌教輝総領事のあいさつと来賓紹介に続き、仁坂県知事が和歌山県観光の見どころを説明。「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産に登録された「高野山」をはじめ、世界的にも珍しい「道」の世界遺産「熊野古道」や、熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社の三つの大社から成る「熊野三山」などを挙げた。
同知事は他にも代表的な工業や製造業、あるいは農業や漁業を紹介し「和歌山県は穏やかな気候と豊かな自然に恵まれ、県民はフレンドリーな人が多い。東京都や大阪府などの都市部からのアクセスも良いため、ぜひ一度訪れてほしい」と来訪を呼び掛けた。
セミナー終了後、仁坂知事は本紙の取材に応じた。まず、和歌山県人会の60周年記念式典に参加した感想を聞くと、「言葉も分からず環境も大いに違う中で、苦労があったと思う。同胞として誇り」と語った。
また観光招致に関連して観光ビザ撤廃の是非を問うと、「和歌山県のみならず、日本の観光分野成長に向けて外務省や首相官邸にノービザを進言している。不法就労は、就労先が取り締まればコントロールでき、ビザの問題ではないだろう」と考えを述べた。
ブラジルと同県の交流の展望については「ブラジルの人は旅行が好きだと聞いている。再度旅行担当者をブラジルに派遣して具体的に話を進めたい。また野菜や魚など食生活が豊かなため、セミナーで紹介したしょうゆや酒の流通にも芽があるだろう」と期待を込めた。
また当日の試食試飲会では、同県の四つの食品企業などが商品を紹介した。
株式会社角長(加納誠社長)は、しょうゆを製造販売。加納恒儀氏は「当社のしょうゆは鎌倉時代の製法で作られる。これにより、原料の大豆の甘味そのままに自然の味を楽しめる」と説明した。同社の一押しは「濁り醤(にごりびしお)匠」。
株式会社九重雜賀(ここのえさいか、雜賀俊光社長)は日本酒や梅酒、酢を製造販売。雜賀社長によれば同社は、「よりよい酸を食卓へ」「主原材料か らの一貫造り」の理念の下、国内外で高い評価を受ける商品を生産している。例えば「純米吟醸雑賀」は、ANA(全日本空輸)国際線のファースト、ビジネス クラスの提供酒に採用された。
中田食品株式会社(中田吉昭社長)は梅干しや梅酒を製造販売。「古城の煌き(きらめき)」が2年前 に日本一の梅酒に選ばれた。醸造事業部海外事業チームリーダーの北村仁嗣氏は「モンドセレクション最高金賞の天然水を割り水に、厳選された完熟梅を使用し ている。そのため砂糖を入れなくても自然な甘みが引き出せ、健康にも良い」と魅力を語った。
合名会社丸正酢醸造元(小坂晴次社 長)は現在23種類の酢製品を製造販売。もち玄米酢の「那智黒(なちくろ)米寿」は2007から7年連続でモンドセレクション最高金賞を受賞している。小 坂和子取締役は「当社は自然の菌で発酵する伝統製法を採用。大量生産のため電気の力で発酵させる構造元が多い中、品質にこだわり抜いた結果」と他社との違 いを説いた。
また企業単体ではないが、同県田辺市役所の那須久男産業部長が、ジュースなどの原液に使う「梅シラップ」や梅ジャム、梅干しを紹介した。
当日試食試飲された物産品は、どれも参加者の評価は高かった。しかし関税などの課題をクリアし、現実的に末端の消費者に届けられるかが問題であろう。当日 参加したレストラン経営者の小池信氏は「日本の物はいいに決まっているが、適切な価格で購入できなければレストランでも提供できない。最近ではお酢やミリ ン、水産品など質のいい日本製商品が入るようになった。今後も期待したい」と話した。
2014年5月3日付
