先駆者見習い日本文化継承を
【グァタパラ発・倉茂孝明記者】グァタパラ農事文化体育協会(茂木常男会長)は19、20日の両日、サンパウロ(聖)州グァタパラ移住地の同会館で入植52周年を祝う記念祭を開催し、19日には先亡者慰霊ミサと記念式典が行われた。日本移民発祥の地として「移民のふるさと」と呼ばれる同地には、かつての入植者をはじめ、地元や聖市などから多くの人が訪れ、同地に眠る先人たちへ思いを馳せるとともに、今後日系社会を背負う新たな世代の活躍も光る2日間となった。
19日午前10時からモンブカ墓地でパドレ・ジョゼレー神父によって執り行われた慰霊ミサには、飯田茂在聖総領事館領事部長、室澤智史国際協力機構ブラジル所長、山下譲二文協副会長、尾西貞夫援協副会長、伊東信比呂県連職員、早川量通南米産業開発青年隊協会会長をはじめ、ウィルソン・ガスパリーニ聖州議、サミール・レドンド・グァタパラ市長ら約40人が参列した。
「拓魂」と刻まれた慰霊碑を前に地元教会の聖歌隊による聖歌合唱が行われ、続いて来賓ら一人一人が献花。その後、一般参列者が焼香を行い、先人たちの苦労と功績をねぎらった。
午前11時から行われた記念式典は、今年からは3月に新たに完成した同文協会館横の屋外イベント会場で行われ、脇山俊吾同文協副会長による開会の辞に続き、日伯両国歌と市歌が地元マーチングバンドにより演奏され、華やかな幕開けとなった。
あいさつに立った茂木会長は、稲作、養蚕、養鶏を基幹産業として発展してきた同移住地の歴史の紹介に続き、少子高齢化が進んでいることに触れ、 「現在、当文協正会員は100家族を切るが、代わりに準会員が同等となっており、心強い」と述べ、「日系社会の基礎をつくられた先駆者を見習い、日本語は もちろん、日本文化の継承に力を注いでいかなければ」と今後の発展を願った。
当日メーンステージでは太鼓や歌、踊りなど2日間で計76組の演目が行われたほか、婦人部や青年会による食事コーナー、同地日本語学校や地元住民らによる物販コーナーなども設けられ、訪れた多くの人が楽しんでいる様子だった。
また、農産展会場では、同文協農事部が同祭のために購入して地元日系農家に配った種から作られた野菜150点、果物・穀物各20点、卵50点などをはじめ、手芸120点、書道や絵画など多数が展示されており、来場者の目を引いていた。
南米産業開発青年隊の8期生として同移住地開設の翌年(1963年)に同地に入り、排水や潅水用のポンプ設備等を行った小山徳(のぼる)さん(74、長 野)は、「この祭りには昔の友達に久しぶりに会うのを楽しみによく来ている。今日も『あのころはこうだったな』などと話が弾んだよ」と久しぶりに旧交を温 めた様子だった。
地元の若い日系人を中心に活動し、和太鼓や踊りで会場を盛り上げた「誠グループ」は、タウバテ海藤三味太鼓などでもなじみの海藤司さん一家と毎年同祭で共演している。
同グループの藤山美智江さん(21、3世)は取材に対し、「6歳の時に海藤先生が太鼓を教えに来てくださり、今ではその時教えてもらった世代が年下の子供 たちに教えています」といい、「今回も皆で楽しく演奏できました。できれば来年もまた先生方と一緒にやりたいです」と笑顔を見せた。
茂木会長は同祭を振り返り、「今回はいつもより多くの非日系人が喜んで来てくれた。また今後に向けて頑張っていきたい」と話していた。
2014年7月23日付
