長崎に原爆が投下されて69年を迎えた9日、姉妹都市提携を結ぶサントス市でも、核兵器廃絶平和記念式典が執り行われた。
午前9時半、日本移民ブラジル上陸記念碑(記念碑)があるロベルト・サンチーニ公園には、小雨が降りしきる中、約150人の来場者が集まり平和への祈りを捧げた。
式典では、サントス日本語学校の生徒や生長の家会員によるコーラス、ブラジル健康表現体操協会員らが皿踊りなどを披露。サントス日本人会の関谷アルシデス会長は、当時の長崎の悲惨な状況を説明し、「我々には、平和と核の根絶を訴え続ける義務がある」と強調し、「式典が市の年間行事であることにも意義がある」と述べた。
続けて、サントス市のエウスタジオ・アルベス・ペレイラ・フィリョ副市長や同パウラ・クァリャート国際交流担当部長が演説し、長崎市との交流を深め核問題解決にも取り組む姿勢を示すと、長崎県人会の栗崎邦彦会長は「平和は失って初めて気付くもの。今、何十万人の尊い命が失われた事実を風化させてはいけない」と戒めた。
その後あいさつした盆子原国彦ブラジル被爆者平和協会副会長は、「広島、長崎の悲劇を若い世代にも伝えなければならない」と話していたが、当日はサントス日本語学校の生徒を中心に、若い参列者も見られた。
宮平シモーネさん(33、2世)は「自分の家族や友人をはじめ、平和の輪を広げる活動をしなければならない」と誓いを新たにした。
式典提唱者の中井貞夫サントス市議会議長は「核は不要。8月9日を戦争の恐ろしさを伝える日にしなければならない」と語気を強めた。
最後は来場者全員が移民上陸記念像を囲んで手をつなぎ、原爆犠牲者に1分間の黙とうを捧げた。
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サントス市と長崎市は、1972年から姉妹都市提携。2012年には提携40周年と長崎県人会創立50周年を迎え、長崎市は今年の10月に路面電車車両をサントス市に寄贈予定。また県人会には「龍(じゃ)踊り」に使用する龍が贈られる。
2014年8月12日付
