【一部既報】このたびの安倍晋三首相夫妻の来伯に際して、日系団体から要望書が首相あてに提出された。慣例では文協、援協、県連など「御三家」から提出されるはずだが、今回実際に要望書を提出したのは県連(本橋幹久会長)とブラジル被爆者平和協会(森田隆会長)の2団体のみだった。
両団体の要望書の内容を紹介する。
県連は、(1)「県受入れ留学生、研修員制度の強化」事業(2)「第18回フェスティバル・ド・ジャポン(日本祭り)=日伯120年の絆」での「ジャパン・プレゼンテーションと日本地域産業文化紹介展」事業への協力の2点を要望。
(1)では、1959年に岡山県での留学受け入れから始まって以来、昨年までの各県での県費留学生・技術研修生での訪日者数が5900人にも達している中、現在は両制度を実施している県は7県で、留学生か研修生のどちらかの受け入れを行っている県は16県である現状などを説明。今後の同制度の展開として、県が発信する観光情報の広報、地域の特産物の紹介や「日本祭り」などでの物産展、県内企業へのブラジル事情の発信及び視察などの人物交流の世話、輸入手続きなど日本の地域(県)活性化にかかわる業務により、母県と県人会のきずなを深める考えだ。
(2)は、来年の日伯修好120周年を交流深化の年として、日本祭り(フェスティバル・ド・ジャポン)の効果的利用を提案。「移民と故郷」「もの造りの日本」「夢とアニメ、コスプレ」「平和と暮らし」「日本地域産業文化紹介展」を副題に、日本祭りでの県の特産品のアンテナショップの設置など日本と各県の紹介をより積極的に行っていく効果を提案し、これらのための協力を要望している。
一方、今年7月に創立30周年を迎えた被爆者平和協会からは、安倍首相と昭恵夫人にそれぞれ要望書が提出された。
安倍首相に対しては、首相の父親で1985年の来伯当時外務大臣だった安倍晋太郎氏が同協会からの要請で健康診断を目的にした2年に1回の医師団派遣を約束実施したものの、いまだに在外被爆者の現地治療が実施されていない点を訴えている。
また、同協会が「核と人間は共存できない」ことをモットーに活動していることを強調。「日本の原発技術をブラジルに押し付けないでほしい」と要望している。
さらに、昭恵夫人に対しても現在のブラジルでは医療費が高く、高齢化する在外被爆者にとって日本での治療は難しい現状をつづっている。その上で、旧日本病院だったサンタ・クルス病院での診察・治療の実現への協力と理解を求め、「人間として人権問題、核問題など話し合って解決できる時代を願って止みません」と締めくくっている。
2014年8月13日付
