安倍首相来伯で日系への強い思い
日本の魅力を世界に発信するための拠点となる「ジャパンハウス」をサンパウロ市でも創設する構想があることが1日、日本から来伯していた新居(あらい)雄介外務省大臣官房広報文化外交戦略課長の発表で明らかになった。これは8月初旬に来伯した安倍晋三首相の強い要望によるもので、日本人・日系人のみならずブラジル人に対しても広く日本文化を発信し、サンパウロをはじめとする中南米での「親日派の育成」を行っていくというもの。「ジャパンハウス」はとりあえず世界6カ国で進めていき、具体的な内容についてはこれから進められる予定だが、日本側では来年の日伯修好120周年に合わせて早期に実現させたい考えだ。
ジャパンハウスは海外の主要都市で日本の情報や広報戦略の拠点となる施設で、日本の外務省がこのほど安倍首相の意向などを受けて対外発信予算として500億円を計上。各国でのジャパンハウス創設費及びその他の国での建設の調査費なども含めて52億円の予算が申請されている。
現在、ロンドン(イギリス)、ロサンゼルス(米国)、サンパウロの3都市で同時並行して構想が進められており、ジャカルタ(インドネシア)、香港(中国)、イスタンブール(トルコ)でも下準備が行われているという。
1日午前9時から在サンパウロ総領事館(福嶌教輝総領事)で邦字紙に対して行われた記者会見で新居氏は、「8月にサンパウロを訪問した安倍首相が ブラジルの日系人の方々に強い思いを持ち、ジャパンハウスを世界主要都市6カ所のうちの一つとしてサンパウロで最初にやりたいとの思いがある」と首相から の指示を伝え、早期開設の必要性を強調した。
現在財務省に予算申請を行っている段階で、場所や建物など具体的内容については今後となるが、「人通りの多い場所で、観光客だけでなくサンパウロに住む人々が出入りしやすい所」(新居課長)で物件を賃借することを目指しているという。
現存する国際交流基金サンパウロ事務所との住み分けについて新居課長は、「今後相談する必要があるが、基金にも入ってもらう形を考えている」とし、「日本文化だけでなく、食や観光など総合的な情報発信をジャパンハウスからできれば」と話した。
また、ジャパンハウスは外務省のみならず経済産業省、文化庁など各省庁及び関連機関や今後の民間との連携も含めた「オールジャパン」の体制で取り組んでいくという。さらに、日本からの一方的な情報発信ではなく、ブラジル日系団体との協力での相乗効果も期待している。
来年の日伯修好120周年とジャパンハウスの関連性について新居課長は「ジャパンハウスは、『サンパウロを含めるべき』という安倍首相の強い思いがで進め ているが、結果として来年の日伯修好120周年のタイミングで出来上がればとの思いもあり、そのためにも何とか加速させていきたい」とし、「(ジャパンハ ウスは)日本政府だけではどうにもならない。日系社会、ブラジル社会の協力を得て、ブラジル全土や中南米に発信できれば」と思いを語った。
2014年9月3日付
