県人会には「龍踊り」の龍が贈呈
【福岡支局=植木修平】長崎市は10日、サンパウロ州サントス市との姉妹都市提携40周年を記念して長崎電気軌道(株)の所有する路面電車車両をサントス市に贈呈した。寄贈に当たり贈呈式が長崎市の長崎電気軌道浦上車庫で催され、式には両市の関係者やブラジル長崎県人会(栗崎邦彦会長)会員など50人が出席した。式では長崎市から県人会に対しても創立50周年を記念して長崎の伝統芸能「龍踊り」に使う龍が寄贈された。今後、県人会は青年部を中心とした龍踊り隊を構成し、ブラジルでも龍踊りの継承ができればと考えており、「フェスティバル・ド・ジャポン」などでも披露する構えだ。
贈呈式で長崎市の田上富久市長は「長崎のシンボルである路面電車がサントスの街を走ることで、これまで以上に絆をつないでくれる」とあいさつし、中井貞夫サントス市議会議長に電車のハンドルを手渡した。贈呈された「206号」(1950年式)はサントス市のジョアン・パウロ・タバレス・パパ市長が早くも「長崎号」と命名し、サントス市内を観光電車として走る予定だ。
今回の電車車両の寄贈の経緯は、サントス市には「生きた博物館」と評される各国の古い電車車両が走る観光電車があるが、「日本の電車もサントスで 走らせたい」と同市の中井市議会議長が発案し、長崎市との間をブラジル長崎県人会が仲介。要望を受けた長崎市の田上市長は、2012年にサントス市で行わ れた両市の姉妹都市提携40周年記念式典に出席した際に寄贈の意思を表明していた。今年8月末に長崎電気軌道(株)での現役を終える車両が出たことから、 このタイミングでの寄贈となった。
なお、贈呈式では長崎の伝統芸能「龍踊り」に使う龍も同県人会に寄贈された。これは12年の長崎県人会創立50周年記念式典で県人会が市に贈呈を要望していたもので、栗崎会長は「龍踊りを通じてブラジルに日本的な文化の良さを広めていきたい」と喜んだ。
龍は今年度中には長崎を出発。船上で「長崎号」に乗って、ブラジルへと渡る。
2014年10月16日付
