田中団長「日本の農業に生かしてほしい」 平成26年度兵庫県若手地域農業リーダー海外派遣団(田中尚智団長)12人(引率2人を含む)が、11月15日~25日の日程でブラジルに滞在した。24日午後7時から聖市リベルダーデ区のニッケイパレスホテル地下レストランで兵庫県人会(尾西貞夫会長)役員との懇談会が開かれ、各自自己紹介を行うなど交流を深めた。同派遣団は36回目を数え、累計で517人となった。今年度は兵庫県立農業大学校1人、同県立農業高校3人、篠山東雲高校1人、播磨農業高校4人と新規就農者1人の10人が参加した。 ブラジル滞在中、一行はサンパウロ(聖)州マリリア市で日系コーヒー園、果樹園、JACTO社等を視察。パラナ州アプカラーナ市で地元高校生との交流後、マリンガ市で日系人宅にホームステイしながら地元文協日本語学校、大学訪問や駒込農場を見学し、クリチバ市やイグアスの滝の観光も行った。 学生リーダーの佐久間瞳さん(18、県立農業大学校)は卒業論文で「どうやったら大きな栗ができるのか」を検討中。ブラジルでは「日本の農業とは全く違ってJACTO社では大きな機械を見て驚いた。ブラジル人に明るく接してもらい、友達もできた」と喜んでいた。 祖父母が兼業農家で兵庫特産の黒豆やヤマノイモの加工販売を行っている赤井愛里沙さん(17、篠山東雲高)は、「日本と気候風土の違うブラジルでどのように対応しているかに興味があった」とし、実際にフェイジョン豆等を見てその違いを体験した。 父親が第5回目の同派遣制度で来伯し、親子2代でブラジルの土を踏んだ奥野智之さん(17、県立農高)の実家は、曾祖父の代から3代にわたって養鶏業を継 承。現在、日本の飼料の7割が海外からの輸入に頼っているという中、奥野さん自身が勉強している植物バイオテクノロジーの技術を通じて「日本で国産飼料を 作り、将来的には養鶏飼料作物の育種化を行いたい」との夢を持っている。マリンガのホームステイ先では茶道の点前も行い、「とても喜んでもらった」と充実 した表情を見せた。 中学時代にカンボジアに研修に行った経験を持つ菅田健作さん(17、播磨農高)は、農業分野を通じた 国際交流に興味があるとし、現在の日本の農業について「どこかに解決策がある」と前向きにとらえる。また、日系社会については、自身のホームステイの体験 から「日本文化を守ってきたと感じた」と話していた。 田中団長(51、兵庫)は「日本の農業は人とのつながりが大切。異 国の地での農業交流体験により、日本の農業に生かしてほしい。日本とブラジルは一番遠い国同士だが、日本と変わらない鏡で合わせて見たような生活があり、 日系の人々の意識の強さを感じた」と述べ、関係者への感謝の意を表した。 2014年12月6日付
