日伯協力の工場設立も視野に
兵庫県漁業協同組合連合会(JF兵庫漁連、山田隆義代表理事会長)から昨年に続き、突々淳(とっとつ・きよし)参事ら関係者が来伯した。今年は、サンパウロ(聖)市での日本産海苔(のり)のPR、販売調査に加え、ブラジルでの焼き海苔加工についてパラナ州で説明会を行う予定だ。5年前に初めてブラジルを訪れて以来、当地での海苔販売を目指して調査を行ってきた同漁連。日本食需要の高まりを受けて今回は昨年以上の好感触を得ているといい、加工工場設立への出資にも期待を寄せる。
来伯したのは突々参事ほか、同漁連の多田義治顧問、藤澤憲二・のり海藻事業本部次長と株式会社グローバル事業開発研究所の中野正也代表取締役。2日に着伯し、聖市を中心に輸入販売業者やレストラン等でPR・調査を行った後、来週にかけてパラナ州クリチバとパラナグアで説明会を開催する予定だ。
同漁連は5年前に農林水産省から委託され、三菱総合研究所と初めてブラジルの市場調査を実施した。しかしこの時は、市場の大半を占める中国産海苔と日本産高級海苔の価格差が5倍以上になることから断念。その後、中国産海苔の価格が上昇したことから、昨年再び調査に来伯。品によっては価格差を抑えて勝負できるとの判断で、輸出に向けた検討を続けてきた。兵庫県人会(尾西貞夫会長)も日本祭りで1度、その後も青葉祭りで紹介するなど協力している。
現在ブラジル国内で販売されている海苔の9割以上は中国産で、それに続くのが韓国産。日本産は販売価格がやや高くなるが、着聖後に訪ねた地場日系 企業からは「希望者はいるので、チャンスはある」と好感触が得られたという。「日本産とはっきり書けば可能性はある」と、パッケージについての話も出たそ うだ。「日本食のレストランも差別化の志向が出てきた」。一般のスーパーからも「もっとブラジルの人に本当の日本食を伝えたい」との声があったという。
さらに、今回の来伯の目玉と位置づけるのが、ブラジル国内での焼き海苔加工。同漁連が原料となる干し海苔を輸出、加工機械や技術面でも協力する形で、今後 ブラジル側で工場に出資するパートナーを探す考えだ。「希望者がいれば、日本に持ち帰って前向きに検討したい」と突々参事は話す。
今年はパラナ州と兵庫県の姉妹提携45周年のほか、修好120周年、パラナ日本人入植100周年、ブラジル兵庫県人会55周年などの節目の年。また、パラ ナグアと同県淡路町が姉妹都市提携を結んでいることから、同州での説明会開催が決まった。原料の干し海苔や加工の流れ、ビジネスの可能性まで幅広く説明す る。多田氏は、恒例のパラナ州経済ミッション訪日に加え、今年は兵庫県からの訪伯も計画されていることに触れ、人の交流に加えて「産物交流」の重要性を挙 げる。
多田氏によれば、ブラジルで年間に消費される海苔(全形)は推計1億5000万枚。「その100%が輸入というの は珍しいこと。安く供給することで付加価値がブラジルに落ちるメリットもある」。突々参事は、「(船で)赤道を通ると風味を保つのは難しい。ぜひ、焼きた ての海苔を供給したい」と意欲を見せた。
同漁連訪問団に関する問い合わせは兵庫県人会(電話11・3207・0025)まで。
2015年2月5日付
