県人の歴史伝える出版物も
ブラジル沖縄県人会と沖縄文化センター(田場ジョルジ会長)の第78回定期総会が22日、サンパウロ(聖)市内の県人会本部サロンで開催された。聖市内・近郊はじめ、州内、南マット・グロッソ州カンポ・グランデなど各支部から約90人の代表が出席。各種報告、今年度計画案の審議を行ったほか、第1副会長の島袋栄喜氏(64)が新会長に就任した。2004年まで務めた宮城調智氏以来、1世が会長に就任するのは9年ぶりとなる。
総会冒頭、体調不良のため欠席した田場会長に代わって島袋副会長があいさつ。2013~14年度理事会の任期中の協力に感謝した。
昨年は音楽、舞踊やスポーツ、郷土祭り、慰霊法要、ウチナー芝居などの定例行事に加え、カンポ・グランデ県人入植100周年、隣国ボリビアのオキナワ移住地入植60周年の節目の年。母県、他国県人会からも訪問団が来伯して祝った。移民100周年事業の記念誌「写真で見るブラジル沖縄県人移民の歴史」、「笠戸丸県人移民325名の名簿及び簡単な足跡」の2冊が5年の歳月を経て完成したことも明るい話題となった。
県人会の収支は、収入約102万レアル、支出約90万レアル。文化センターの収支は約14万レアルで、事業報告とともに承認された。
このほか、県人移住の歴史に関する出版物の紹介も行われた。
「笠戸丸移民・未来へ継ぐ裔孫」は笠戸丸県人移民と子孫の足跡をまとめたもの。琉球大学移民研究所元研究員の赤嶺園子さん(74)が約8年前から、国内、 亜国、沖縄などを訪ね調査を続けてきた。昨年12月に日本で出版、このほどポルトガル語版が完成した。赤嶺さんは「先人に対する感謝の一冊だと思っていま す」と気持ちを語った。
カンポ・グランデ支部では、同地の県系社会と県人会の軌跡を日ポ両語で記述した100周年記念誌 「希望の大地」が完成。聖市本部も協力し、州文化財団の支援を受け1000部発行した。11年から支部長を務める志良堂ニルトンさんは「この本を完成させ ることが目標だった」と話し、「県人移民の足跡を知ってほしい」と呼び掛けた。同地では地元の新里家の家族史も出版されている。
崎間達雄評議員は、ジャバクアラ支部の協力を受けて製作した記録映画「三線」を紹介。今後各地の支部で上映し、沖縄でも上映できればと希望を語った。
「写真で見る―」の編纂委員長を務めた宮城あきらさんも、支部、会員、編集委員ら協力者に改めて感謝の言葉を述べ、母県・市町村にも少しずつ配布を進めて いることを報告。山城勇・評議員会名誉会長は、「先祖が築いた基盤の上に色々な出版ができたことは喜びに堪えない」と述べるとともに、体調不良の田場会長 を支えて会運営に尽力した役員をねぎらった。
午後から今年度事業計画・予算案審議が行われ、与儀昭雄評議員会長が議長を務めた。
今年は8月に第1回目となる研修生留学生報告会を計画しており、本部行事は計19。会報「協和」も発行する。予算は収入約61万レアル、支出約57万レアル。会費を55レアルに値上げすることとあわせ、いずれも出席者の承認を受けた。
最後に新執行部の就任が行われ、与那嶺ルーベンス評議員会書記が先月の評議員会で選出された新役員を紹介した。新会長に就任した島袋氏は「未熟ですが、皆 さんの協力、支援を賜り、精一杯頑張りたい」とあいさつ。高安宏治第1副会長は「これから2年間、会長を補佐しながら会のため、ウチナーンチュのため、社 会のため懸命に頑張って尽くしたい」と述べた。
島袋氏は59年に移住。技師として働き、定年後4年ほど前から県人会の仕事を手伝うようになったという。本紙の取材に「これからは若い人にも来てもらえるよう、何を望んでいるか考えて、対応できる会にできれば」と抱負を語った。
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新しい理事会役員、正監査役は次の通り。
会長=島袋栄喜。第1副会長=高安宏治、同2=上原テリオ、同3=西原正三、同4=垣花輝明、同5=比嘉パウロ、同6=島袋カミロ。第1書記=小波津セル ジオ、同2=島袋安雄、第1会計=目差ジョン、同2=平良栄子。正監査役=亀谷義武、松本新功、新城パウロ。(敬称略)
2015年2月28日付
