鳥取県とブラジル鳥取県人会が1年おきに実施する「中堅リーダー交流事業」で、同県から谷上雄亮さん(29)、拝藤均さん(54)の2人が来伯した。約10日間の滞在中、ホームステイしながらサンパウロ(聖)市の県人会や、県が開設にかかわった第2アリアンサ移住地(聖州ミランドポリス)などで交流したほか、テーマに沿った視察・交流を通じて見聞を広めた。
同事業は2003年に始まり、県からの派遣は7回目。ブラジルからの派遣は6回で、県人会を担う人材が母県を知る機会となっている。
県の公募で選ばれた拝藤さん、谷上さんのテーマはそれぞれサッカー、農業。拝藤さんは昨年のサッカーW杯ブラジル大会日本・ギリシャ戦(ナタル)を観戦に家族で来伯したことがきっかけだったという。
小学校教師の傍ら、同県内のNPOスポーツクラブ副理事長として、長年少年サッカーの振興に携わる拝藤さん。毎年日本の中学生チームを招いて大会を開催するアルモニア学園を訪問し、「(子供たちが)ブラジルに来る時に得るものは非常に多い」と感じたという。コリンチャンス関連の少年チームも訪ね、サッカーだけでなく、非行防止など「地域のことを考え、使命感をもって取り組む」指導者の姿を見ることができたそうだ。
持参した郷土芸能は、父親が県内先駆者の一人という「皿回し」。第2アリアンサでも子供たちに教えた。「チャレンジして楽しんでくれた。こっちの子供はすごく素直です」。県人会との交流でも、「県への思いが強く、感謝していただいている。つながりを持ち続けたいという思いを感じた」と振り返っていた。
農業関係の会社で働く傍ら、現役の梨農家でもある谷上さんは、父親が40数年前にブラジルで研修した縁もあって応募した。「商品の扱いが雑で、物があふれてロスが多いのにびっくりした」聖市のセアザ訪問。聖州ピラール・ド・スールの柿生産者組合やモジの農家も訪ねた。日本と違う大量生産のスタイルを知る一方、付加価値をつける生産への取り組みも見た。「儲かる農業を子供に見せて、継いでもらえるよう頑張っている」という生産者の言葉に意気投合したと振り返る。
持参した郷土芸能は神楽の獅子舞。県人会で披露した時には、無病息災で過ごせるよう、たくさんの会員らが頭をかんでもらいに集まったそうだ。「県とのつながりを大事にしてくれてありがたい。温かく迎えられ、鳥取にいるみたいです」と谷上さん。「県人(1世)が少なくなる現在、事業を継続する意義を感じた」と話していた。
滞在中は鳥取県と交流のある聖市の松柏・大志万学院や、聖州森林院内の「サンパウロ・鳥取友好の森」も訪れ、2月13日夜には「日伯」をテーマとしたサンバチーム「アギア・デ・オウロ」のパレードなど聖市のカーニバルを満喫。サントス、リオ観光も楽しみ、同16日夜に離伯した。
2015年3月3日付
