貧富の差と県系人の裕福さ感じて
海外県人会人材育成・活用推進事業実行委員会が主催する「グローバルステージin Brazil」の訪問団7人(引率役員2人、一般参加者5人)が5日午前、本紙を訪れた。「グローバルステージ」とは、福岡県の青年たちをブラジルやハワイに短期派遣し、現地の福岡県人会や青年部と交流を深めることで、次世代のパイプ役を担う人材を育成することを目的としたプログラム。今回が第1回目となった。
2年前に福岡で開かれた海外福岡県人会の代表者会議の中で、各国代表から「母県の青年を受け入れたい」という強い要望があり、今回の実現に至った。武田誠一団長は「在外福岡県人会の若手人材を日本に招くプログラム(県費留学、県人会担い手育成招へい事業)はあるが、その反対がなかった」と記念すべき日本からの訪問団派遣を喜んだ。
一行は、今月1日から8日まで9日間にわたりブラジルに滞在。日系企業や現地企業の視察、総領事館やJETRO等の政府機関、移民史料館、大学・研究機関等の訪問、県人会員や現地青年との意見交換会、ホームステイ等を行った。
来社した5日は旅程の折り返し地点。サントスにある日本移民ブラジル上陸記念碑やサンパウロ大学などを訪れ、ブラジルを肌で感じた団員たちに(1)ハワイではなくブラジルを選んだ理由と(2)渡伯後の心境の変化を尋ねた。
(1)では「時間的・距離的にブラジルは行く機会がないから」が3人。「祖母の祖母がブラジル移民」の東雲雄飛さん(20、大学生)、「職場でブラジル人とかかわる機会が多く、彼らを通してブラジルを見て来た」と話す米村淳平さん(31、社会人)、ブラジルに対し何らかのつながりを持つ団員もいた。
(2)では5人全員から「貧富の差を強く感じた」という声があった。東郷秀明さん(34、英語科教諭)は「日本で先人たちの苦労とその環境の苛酷さを学習して臨んだが、衣食住の観点から県人会の人は裕福な家庭が多い印象を受けた。教育に投資する家庭が多い」と述べ、平牧子さん(20、建築学科学生)は「ブラジルの建設中の建物に日本との違いを感じた」とそれぞれ自己の専門分野からブラジルを観察していた。
福岡県からの移住者がブラジルでどのように適応したのかを知りたかったという平野梓さん(21、大学生)は「それまで移民に対して、どこか貧しい印象があった。しかし、裕福な移民の暮らしぶりに驚いた」と話す。
武田団長は「現在、同プログラムの派遣先はブラジルとハワイの2カ国だが、いずれは福岡県人会のある世界9カ国21カ所すべてに拡大していきたい」と展望を述べ、一行はブラジリアへと向かった。
2015年3月14日付
