梅田委員長「必ず実現する」
日伯外交樹立120周年特別事業の一つ、サンパウロ(聖)市での花火大会・日本文化イベントに関して資金面の懸念が持ち上がっている。実行委員会(委員長=梅田邦夫駐伯日本大使)が(寄付者に税制恩典のある)文化省ルアネー法に申請した金額のうち、「花火そのものの経費」が文化芸術活動として認められず、同経費分をルアネー法適用分以外の方法で集める必要が生じた。実行委では引き続き寄付を募っていくほか、他事業の経費圧縮などにより必要額を用意する考えだ。梅田委員長は「必ず実現する」と明言した。
デザイナーのコシノジュンコ氏プロデュースによる花火大会は9月12日に聖市インテルラゴス・サーキットで開催を予定。日本の花火師が来伯、7000発の打ち上げを目標とし、花火と併せてショーや日本の歌手、音楽家のコンサート、日本の食なども紹介する「花火祭り」として準備が進められている。
同事業の経費に関する実行委のルアネー法申請額は171万4550レアルで、うち承認額は114万1050レアル。花火そのものの経費(機材等含む)57万3500レアルは文化芸術活動として認められなかったため、同法適用口座から支出することはできない。
15日午後の実行委会合後に会見した梅田委員長らによれば、3つの特別事業(花火、日伯共同プロジェクト巡回展、日本館改修)に係る募金目標額200万レアルのうち、現在約170万レアルが集まっている。目標額までの残り約30万レアルと、花火を含む特別事業の経費節約などにより不足分をまかなう考え。同日の会合では、引き続き企業などへの寄付要請を続けていくことと、3事業の実施を改めて確認したという。委員長は「(花火の)キャンセルの可能性はない。必ず実現する」と強調した。
このほか、皇族のブラジル訪問の可能性について梅田委員長は、詳細は未定としながらも「来られるのは、ほぼ確実と思う」と説明。海上自衛隊練習艦隊のブラジル訪問に関しては、7月終わりごろから3カ所の寄港が予定されているという。
日伯共同プロジェクト巡回展はベレン(5月)、ブラジリア(6月)、聖市(7月)、リオ(8月)、マリンガ、クリチバ(9月)などで実施を予定。日本館改修工事の開始は年後半になる見込み。
音楽、能や陶磁器展も リオは音楽祭、聖市は100周年
会見ではこのほか、リオ、サンパウロの総領事館代表、国際交流基金サンパウロ文化センターの深沢陽所長がそれぞれの事業の進捗状況について説明した。
山元毅リオ総領事によれば、世界的指揮者の西本智美氏と和太鼓奏者が参加する日伯友好音楽祭が7月31日、8月2日にリオ市立劇場で予定されており、同行事に合わせて120周年のセレモニーを開催する計画。もう一つの記念事業である植物園内日本庭園の改修については「資金に限度があり、大それたことはできない」が、灯籠(とうろう)の設置などのプランを検討しているという。
聖市では同総領事館開設100年の記念行事を7月28日に予定。佐野浩明首席領事は「日系社会への感謝を表すイベントにしたい」と述べた。
基金聖文化センター深沢所長の説明によれば、主要3事業の「和楽器トリオ『結』」「クリヤ・マコト―クリエイティブ・ジャズアンサンブル」「バイオリニスト五嶋龍とブラジルのオーケストラ」の公演が国内各地で実施されるほか、現代陶磁器展、ブラジルでも有名な日本の漫画家の講演、日本語教育に関する国際シンポジウム、日本研究者による日伯関係の書籍出版等の事業を予定。基金本部助成による歌舞伎舞踊や能楽、和太鼓「鼓童」、舞踏、広島神楽等の公演、柔道講習、茶道、書道の紹介などが予定されている。
2015年5月20日付
