元本紙記者で、現在沖縄探見社代表を務める高橋哲朗氏(53、埼玉)がこのほど、「沖縄の伝統行事・芸能を歩く」を発刊した。A5版、全128ページ。1100円(税別)。
高橋氏は、日本の全国紙の記者経験の後、ブラジルにある本紙を含め、オーストラリア、米国で記者・編集活動を行った。沖縄県移住後はフリーランスのライター及び編集者を務めながら、2009年に出版社の沖縄探見社を設立している。
自身で書いた同書の内容を紹介する。
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天才画家、岡本太郎に「こんな小さな島の中に、どうしてあんなに数多く、豊かに残っているのか」(『沖縄文化論 忘れられた日本』より)と驚嘆させた伝統行事・芸能を、沖縄に今も息づく旧暦文化に沿って紹介しているのが本書である。
半裸の格好に草木を巻き付け練り歩く「安田のシヌグ」のように古い時代の香りを漂わせる儀式もあれば、赤毛のかつらを被り棒を操りながら踊る「南之島(フェーヌシマ)」のように出所不明の芸能もあれば、「唐人行列」「路次楽」や「打花鼓」のように中国の影響が鮮明な芸能もある。旧盆の伝統芸能「エイサー」は、きらびやかな衣装といい、緻密(ちみつ)に計算され息の合った踊りといい、最新のエンターテイメントと比べても見ごたえに遜色(そんしょく)はない。
本土と同じ起源を持つ行事・芸能でも、沖縄ではかなり中身が異なっている。例えば、3月の節句は本土ではひな人形を飾るのが一般的だが、沖縄では浜辺に出て遊ぶ「浜下り」という行事になっている。5月の節句では鯉のぼりを揚げたり、鎧(よろい)や兜を飾ったりするのが県外では典型だが、沖縄では「ハーリー(糸満では「ハーレー」)」と呼ばれる龍船競漕を行うのが代表格である。
獅子舞といえば、日本全国にさまざまなタイプが受け継がれているが、関東地方では、獅子頭を持った一人の男性が大きな布をかぶって体を隠し、音楽に合わせて波打つように体を揺らしながら、正月に踊る姿が思い浮かぶ。一方、沖縄では獅子舞が演じられるのは秋の豊年祭が多い。しかも、長いふさふさした体毛を全身にまとい、ライオンや犬を思わせるリアルな動物の動きを二人組が演じる。
同じ沖縄の中でもエイサーや獅子舞、綱引きなどは地域ごとの違いが際立つ。本書では、豊富な写真とともに地域の特色や伝統の由来を解説している。また、観光県・沖縄では伝統行事・芸能を気軽に見られる機会は多い。エイサーをはじめ地域のイベントの中で頻繁に上演されるからだ。こうしたイベントの開催・鑑賞情報もふんだんに盛り込んでいる。
なお、同書に関する問い合わせなどはホームページ(http://www.okinawatanken.ecnet.jp/index.html)を参照のこと。
2015年6月27日付
