サントス寄港中の「しまゆき」「やまぎり」の歓迎式典が、5日午後0時半からサンパウロ(聖)市の文協記念講堂で行なわれた。両艦から艦長、実習幹部を含む300人の乗員が式典に出席。各都道府県人会、日系団体関係者など300人が迎え、日伯の絆を確かめ合った。
式典は文協、援協、県連、商工会議所と日伯文化連盟が共催。サントスからバスで到着した一行を参加者が拍手で迎え、各団体代表と中前隆博在聖総領事、「やまぎり」の橋本聖一艦長、「しまゆき」の小圷(こあくつ)聖一艦長が舞台に上がった。
日伯両国歌斉唱後、共催団体を代表してあいさつに立った呉屋春美文協会長は、長期間の航海途上の乗員をねぎらうとともに、「外交120周年の機会に艦隊の雄姿に接し、元気付けられる思い」と歓迎。「最大の日系社会のあるブラジルをよくご覧いただき、年ごとに近しくなる日伯関係強化のため協力をお願いします」と述べた。
中前総領事は、共催団体と艦隊のサントス寄港に謝意を表し、「日系団体の方々は日頃より日伯友好促進に心を砕き、様々なことで協力いただいている」と紹介。寄港中の交流を通じ、「日系社会、ブラジルの素晴らしいところを見てもらい、持ち帰っていただきたい」と話した。
呉屋会長から橋本、小圷両艦長へ花束を贈呈。橋本艦長は歓迎に感謝し、「短い期間だが、日系人、日本人の方たちと交流を深め、次の航路へ旅立っていきたい。ブラジル日系社会の発展を祈念します」とあいさつした。
記念品の交換では、両艦長から艦隊の帽子や記念の楯、共催団体からは銅製のジャンガーダの置物をそれぞれ贈呈。村田俊典商工会議所会頭が音頭を取り、会場全体に万歳三唱の声が響いた。
式典終了後、講堂サロンには各都道府県の名を書いたプラカードが並んだ。乗員は出身県ごとの県人会との昼食会に向かい、親睦を深めた。
県連元会長の網野弥太郎さん(78、山梨)は、1998年に練習艦隊が寄港した際に聖市の歓迎副委員長を務めた。移民70周年で寄港した際、真珠湾攻撃に参加した酒巻和男氏(当時伯トヨタ社長)が先頭に立ってガルボン・ブエノ街を分列行進したことが思い出という網野さん。「若い人が祖国から来るのは大歓迎。子や孫の年代の人が来て、元気な姿を見ると、日本はまだ大丈夫だなと思うね」と話していた。
当日午後は代表者による移民史料館、開拓先亡者慰霊碑訪問も行なわれた。両艦は8日朝までサントスに、もう1隻の「かしま」は7日朝までリオに寄港後、次の訪問国アルゼンチンに向かう。その後練習艦隊としては90年ぶりに難所のマゼラン海峡を通過する。ペルー、メキシコ等を経て日本到着は10月27日の予定。
2015年8月7日付
