県費留学制度の継続と復活を
岡山県文化協会(根岸健三会長)の「移住105周年式典」が、23日午後4時からサンパウロ市ジャルジン区のゴールデンチューリップ・パウリスタプラザホテルで開催された。式典には伊原木隆太県知事、小野康弘県議会議長はじめ16人の慶祝団が母県岡山から来伯出席し、各地から駆けつけた県人会員らと記念の年を祝った。
岡山県からの移民は、1910年の第2回移民船「旅順丸」に乗った28家族約130人から始まった。52年に「岡山県人中央協会」としてサンパウロ市内で県人会が発足。79年に現在の名称に改め活動している。59年には県費留学制度をどの県よりも早く開始するなど、「教育県」と呼ばれる母県岡山の名に恥じない取り組みで県人子弟の教育に励んできた。
式典は同協会の森西カルロス進副会長の開会の辞で始まり、先亡者に対しての黙とう、日伯両国国歌が斉唱された。続いて亀森敏宏国際課課長により慶祝団及び中前隆博在サンパウロ総領事が紹介された。ブラジル側からはブラジル日本文化福祉協会の呉屋春美会長、ブラジル日本都道府県人会連合会の本橋幹久会長などが出席した。
根岸会長は「今は亡き先輩移住者の血の滲むような努力のお陰で今日の県人会があり、心から敬意を感じる。母県とはずっと強いつながりを持ってきた。岡山で学んだ研修生たちはブラジル社会で活躍している。研修制度は縮小しているが、日系社会のためにも続けていかなければならない」とあいさつした。
伊原木知事は「学生時代にブラジルに来たことがあり、今回が2回目。当時と比べブラジルは発展したが、その背後に県人の努力があったことは間違いない。(今回の来伯は)『大切な式典なので副知事じゃだめ』と言われた」と会場の笑いを誘い、「知事として『努力をすれば道は拓ける』というテーマのもと、教育に重点を置いて取り組んでいる。皆さんはその良い手本」と会員を称えた。
小野県議会議長は「県費留学制度は心と心のつながり。復活するように国に訴えていきたい」と述べた。
続いて中前総領事、第1回県費留学生の栢野定雄さんがあいさつした後、記念品の交換、功労者、高齢者表彰なども行われ、羽藤ジョージ聖州議会議員のあいさつの後、県民愛唱歌「みんなのこころに」が歌われ、式典は閉会した。
祝賀会では鏡割り、ケーキカットが行われ、岡崎豊県議会議員のブラジル流の音頭で乾杯し、集まった会員らは懇親を楽しんだ。
祝賀会の後には、歴代の県費留学・技術研修生OBが伊原木知事と懇談し、知事から「以前、お会いしたことがありますよね」と一人の研修生に声が掛けられ、思わぬ再会を喜んだ。
会場の女性県人会員は「県知事がこちらのことを考えてくれているなと思った。他の会員らも親しみを感じているんじゃないか」と話し、終始和やかな雰囲気の中、懇談は続いた。
2015年8月26日付
