伝統芸能の「広島神楽」で盛り上げ
ブラジル広島文化センター(平崎靖之会長)は25日午前10時から、「創立60周年記念式典」をサンパウロ(聖)市リベルダーデ区のブラジル日本文化福祉協会大講堂で盛大に開催した。広島県から湯崎英彦県知事、平田修己県議会議長、松井一實市長、永田雅紀市議会議長、町村会の吉田隆行会長、聖州マリリアと友好姉妹都市提携を結ぶ東広島市の蔵田義雄市長、広島日伯協会の白井孝司会長らを中心に65人の大型慶祝団が来伯した。
当日は、日伯両国歌斉唱、先亡開拓者慰霊への黙とうと続き、平崎会長は「こうして60周年を迎えることができますのも、私たちブラジルに住む県人と母県の心の通った関係があったからこそです」と式辞を述べた。
来賓には、日本からの慶祝団各代表者らをはじめ、県連の本橋幹久会長ら日系3団体代表、中前隆博在聖総領事、那須隆一JICAブラジル事務所所長などが臨席した。
中前総領事は「60周年というのは人で言うところの『還暦』に、120周年というのは『大還暦』にあたります。センター創立60周年と日伯外交関係樹立120周年の2つの還暦が重なる大変おめでたい年に、参加できますことを心より嬉しく思います」と祝辞を述べた。
湯崎県知事は「世界第7位の経済大国となったブラジルにおいて、ブラジル広島文化センターが確固たる地位と信用を築いておりますのは広島県民の大きな誇りであり、大切な宝でございます。また在外県人会は地域の日系人社会に重要な組織であるとともに、本県と各地を結ぶ友好の懸け橋となっております。本県がグローバル化の中で発展していくための大きな資産であると考えております」と感謝の意を表した。
広島県と同センター間での記念品の相互贈呈も行われ、広島県からは厳島神社が描かれたしゃもじ(安芸の宮島の特産品)、掛け軸、お盆など8種類を同センターへ贈った。
県知事表彰では、高齢者13人(榎一子、岩見四郎、中森昭七、樽本譲治各氏ら6人出席)、功労者4人(大西博巳、落久保博、森永みのるカーロス、棗田正行各氏4人出席)が表彰され、表彰状と記念品の贈呈が行われた。
式典終了後は祝賀会へと移行。鏡割りとケーキカットが行われ、慶祝団らとともに盛大に祝福した。昼食後はサンバショーも披露され、会場は終始賑やかな雰囲気に包まれていた。
◆広島神楽
広島の伝統芸能「広島神楽」の公演会は午後3時から午後5時頃まで同会場で行われ、2階席の半分までが埋まるほどの人気ぶりとなった。
広島県から来伯した神楽団及び関係者ら25人が「紅葉狩り」「八岐大蛇」の2演目(各40分間)を、ブラジル神楽保存会が「恵比須」(20分間)を披露した。ドライアイスを用いて怪しい煙を、幾重にも巻かれた細長い紙で鬼が放つ蜘蛛(くも)の糸を表現した場面も見られた。また、来場者に配布するプログラム資料には日伯両語で演目の解説が施され、日本語の分からない人でも演者の台詞を理解できるように工夫されていた。
公演終了後の会場からは、「ビバ(万歳)」の歓声が上がった。本場の広島神楽を鑑賞した平崎等美さん(61、3世)は「感無量です。来年の日本祭りにぜひ、来てもらいたいですね」と微笑んだ。
広島神楽は同県内で神楽団数100団体を超え、演目数は70以上にも及んでいる。団体によって個性が違う広島神楽だが、今回演じた17人の神楽演者の多くは異なる団体に所属している。ブラジル公演のために組織された特別チームで、各演者たちは仕事の日程を調節し、半年前から週末の休みを利用して練習に励んできたという。
神楽団員の崎内俊宏氏(59、広島)は「滅多にない機会でしたので最高の神楽を届けようと、全体で動きを統一するための『すり合わせ』を20回以上も行い、入念に準備してきました。公演会では、日本に比べてブラジル人の観客は盛り上げて下さったので、団員全員が
舞を気持ち良く踊れたと思います」と感想を述べた。
サンパウロ新聞 2015年10月29日付
