「100周年記念学校」で大歓迎
アカコヤグアにある日系協会会館(文化センター)内では、浴衣を着た10歳前後の地元の女の子8人が「もみじ」を合唱し、一行を歓迎してくれた。
その後、あいさつに立った春日カルロス氏は「私が榎本殖民団入植90周年(1987年)でここ(アカコヤグア)に来た時、椰子の葉でできた学校に当時13人の生徒がおり、その中の5人は日系人の名前を持つ生徒がいたことに感動した」というエピソードを紹介し、その後の98年4月に日本政府からの機材協力などを得て、同協会を建立したことを説明。さらに、移住100周年(97年)を記念して地元の中学・高校を「日本移民100周年記念学校」と名付けたとし、同校の卒業者には1週間、メキシコシティに招待しているという。
「美しい花を咲かせるには枝、幹、根を大事にしないといけない。それと同じ思いで、この町を栄えさせたいと思って頑張っている」と春日氏は自らの熱い思いを語った。
同協会のすぐそばには生徒たちの寄宿舎があり、それも春日氏が寄付したという。そのことを教えてくれたのは、パラグアイのピラポ移住地で生まれ育った村久木(むらくき)由美さん(44)。主人がアカコヤグア出身の日系3世で、日本で出会った。主人の仕事の関係で由美さんも日本に住んでいたが、2011年3月に発生した東日本大震災により、4年前に幼い子供2人を連れてアカコヤグアに来た。主人はまだ日本で単身赴任で働いており、「1年に4回ぐらい、春日さんがアカコヤグアに来る時にお手伝いしているんですよ」と流暢な日本語で教えてくれた。
春日氏の案内で協会から歩いてすぐ近くの「日本移民100周年記念学校」に行くと、炎天下の蒸し暑さの中で日墨両国旗とともにブラジル国旗を振りながら、学校の制服やジャージを着た生徒たちが明るい笑顔で一行を迎えてくれた。学校の外から中へと列をなして続く皇室関係者のような大歓迎を受けた一行は、中学校の中庭広場で学校関係者手作りのメキシコ料理をご馳走になった。
その後、生徒たちのマリンバ演奏と民族舞踊が披露され、色鮮やかな衣装と踊りに見入っていた。
同高校の野村マルチンス校長によると、同校の生徒は中高合わせて約1500人が在校し、高校には約600人が通っているそうだ。
同校の中学校に通っている小向まゆみさん(14、3世)は、日本で生まれて11年間を日本で過ごし、祖母が病気のため3年前に母、兄と一緒にアカコヤグアに来たという。「スペイン語はまだまだですが、友達もできてすごく楽しいです」と笑顔を見せながら、同級生たちと親しんでいる様子だった。
一行は、生徒たちとの名残を惜しみながら午後4時過ぎに同校を出発。「榎本殖民団」がメキシコへの最初の一歩を踏みしめたマデロ海岸へと向かった。(つづく、松本浩治記者)
サンパウロ新聞 2015年10月30日付
