龍踊りの練習の様子
長崎市寄贈の龍を使用して練習励み

長崎市から、長崎伝統芸能の「龍(じゃ)踊り」の龍を寄贈された長崎県人会(川添博会長)は、本物の龍を使った初となる龍踊りの練習を5月30日午後7時からサンパウロ市リベルダーデ区の文協大講堂で行った。6月25日と26日に開催される「文協コロニア芸能祭」でフィナーレを飾る初舞台に向け、イタペセリカ・ダ・セーラ、ACAL(リベルダーデ文化福祉協会)、リベイロン・ピーレスの和太鼓グループに所属する14歳から27歳の青少年らが練習に励んでいる。これまでは、長崎県人会で創設された龍踊り委員会(川添博委員長)で練習用の龍体を制作し、3月の中頃からイタペセリカを中心に毎週1回練習してきたが、本物の龍体は重い上に固く、苦戦する様子が見られた。
2012年のブラジル長崎県人会創立50周年を記念して長崎市長から寄贈が約束された「龍踊り」の龍は、サントス市と長崎市の姉妹都市提携40周年を記念して同市から寄贈された路面電車車両「長崎号」の中に入れられて輸送され、約1年の期間を経て今年の2月にサントスに到着した。長崎市をはじめとし、サントス市、さらにはヤクルト記念財団からの支援があり、この輸送がようやく実現された。
しかし、寄贈された龍は中古品だったこともあり、損傷が目立った。川添敏江さんは「3月から長崎県人会の婦人部で協力し、龍のうろこを約300枚付け足しました。糊(のり)だけではうろこが取れてしまうので縫い付けています。これから色が剥げているところを塗り直せばようやく完成する予定」と修理の苦労を語った。
この日、午後7時から同9時過ぎまで行われた練習には、イタペセリカ、ACALの和太鼓グループのメンバーら男女16人が参加したが、長さ20メートル、重さ100キロ以上ある龍を上下左右に激しく動かすには、演技中に交代手が不可欠となるため、最低でも22人が必要。また、重さ7キロ以上ある「龍頭(じゃがしら)」は9分間の演技中に4人の交代が必要という。
14年に長崎市を訪問した際に、長崎女子高校の「龍踊り部」から、龍踊りの手ほどきを受けた川添委員長の指導のもと練習が行われた。身長にばらつきがあるせいか、等間隔の距離を保つことが難しく「エスパッソ(間隔)、ジスタンシア(距離)」と繰り返し叫ぶ声が響いた。
龍が追う玉を持つ「玉使い」を務める今村広三さん(27、2世)は和太鼓グループの指導者でもあり、「最初は軽い気持ちで『やります』と言いましたが、練習を重ねるにつれて『しっかりしなければ』と思うようになりました。龍踊りという伝統的な長崎の踊りを経験できて嬉しいですが、できるかどうか不安な気持ちもあります」と率直な思いを語った。
川添委員長は「いつ龍体が届くか分からなかったこともあり、なかなか本格的な練習に踏み出すことができませんでした。練習期間が短かったけれど、今回の練習で目安がついたので大きな第一歩。これからは速度の変化が激しい音楽に合わせて龍体を動かすのが課題。やれるだけやりたい」と話し、「初舞台が終わってからも、蛇踊りに参加したい人を募って続けていきたい」と今後の抱負を語った。
26日のコロニア芸能祭当日は、長崎の伝統舞踊「皿踊り」とブラジル健康体操による「イッペー音頭」の後、最後に「龍踊り」が披露される。
サンパウロ新聞 2016年6月2日付
