焼香する参列者
移民の歴史、次世代への継承を

ブラジル沖縄県人会とブラジル沖縄文化センター(島袋栄喜会長)共催の第22回開拓先亡者追悼慰霊法要が、12日午前10時からサンパウロ市リベルダーデ区の同県人会館で執り行われ、県人会員など約200人が参列した。
高安宏治氏の司会で進められた法要では、はじめに金城ルイス実行委員長があいさつし、同法要が長年にわたって苦労を重ねてきた先亡者を慰霊し、感謝の意を表すものだと説明した。
引き続き、野村流音楽協会ブラジル支部及び野村流音楽保存会ブラジル支部の三線と、琉球筝曲興陽会ブラジル支部及び琉球筝曲保存会ブラジル支部の筝(こと)による献楽の儀、帰国県費留学生の松本サトミさんと2015年ミス琉装の金城りえさんによる献花の儀、琉球ぶくぶく茶道ブラジル支部の銘苅エレナさんと米田ルシアナさんによる献茶の儀が同時並行で執り行われた。
追悼の辞を述べた島袋会長は、先人たちが多くの艱難(かんなん)辛苦に耐え、ウチナーンチュが一致結束して今日の沖縄県系人社会の基礎を築き上げてきたことに触れ、「『温故知新』の言葉通り、古きをたずねて新しきを知る思いで先人たちが築いた移民の歴史に学び、この初志を忘れることなく肝に銘じ、新しい世紀の県系人社会の建設に生かしていく所存」と強調。また、1926年に「球陽協会」から始まった県人会が98年に現在のブ「ラジル沖縄県人会」となった経緯を振り返り、今年で90周年の節目を迎えることに言及した。その上で、9月2日から4日までの3日間にわたって開催される記念行事に母県から県知事をはじめ、県議会、各市町村の慶祝団を迎えることとし、「2世、3世、4世の若い力を掘り起こし、本日の法要で決意を新たにし、県人会とセンターの一層の強化と希望に満ちた社会の増進にさらに努力を重ねることを誓い、亡くなられた方々のご冥福を祈るとともに会員のご健康とご多幸をお祈り申し上げる」と述べた。
その後、ブラジル禅宗本願寺のコウエン導師の読経により、参加者全員が焼香を行った。
コウエン導師は法話で、沖縄の先人たちがブラジルの厳しい環境の中で子弟のために苦労しながら頑張ってきたことを称賛。そうした歴史を、子孫に継続して伝えていくことの大切さを説いた。
毎年、慰霊法要に出席しているサント・アンドレ市在住の山城勇さん(89)は、同慰霊法要が10年ほど前に一時期行われなかったことがあるとし、「先人への感謝を込めて慰霊法要を行うことは、我々後輩の義務と言える。(法要が行われなかった)当時の総会で『先人への慰霊法要だけはどうしても続けてほしい』と強く訴えたことがある。こうした仏式法要があと何年続くかは分からないが、次世代の時代に合ったやり方で、今後もぜひ続けてほしい」と思いを語った。
サンパウロ新聞 2016年6月18日付
