来社した岡野、林、橋本の各氏(左から)
12月のリニューアルオープン向けて

群馬県邑楽(おうら)郡大泉町にある「ブラジリアンプラザ」を再生・活性化する事業計画が、同町で進められている。日本国内でブラジルを象徴する存在として知られる同プラザは、2008年のリーマン・ショックや11年の東日本大震災の影響を受けて帰伯した日系ブラジル人の減少により衰退。その後、土地建物所有者から復活再生を依頼された特定非営利活動法人(NPO)交流ネット(舩津丸謙一理事長)と一般社団法人日本海外協会(今村忠雄会長)は今年12月のリニューアルオープンに向けて、その趣旨と目的を説明するために6月30日から関係者が来伯。今月11日ごろまで滞在し、8日から開催される県連主催の日本祭り等で広く日系社会からの協力を呼びかける考えだ。
1日に来社したブラジリアンプラザ館長の岡野護氏、同事務局長の林勉氏、ブラジリアン・ビジネスグループの橋本秀吉代表理事によると、同プラザは2007年ごろにはブラジル食材などを扱うスーパーマーケットをはじめ、旅行社、送金業者、電器店、出版社、レストランなどの店舗が入り、多い時は一日で約1万人の人出があったという。
しかし、リーマン・ショックや東日本大震災の影響で帰伯する日系ブラジル人が相次ぎ、ピーク時は同町に約6000人いた日系ブラジル人が現在は約4000人に減少。同プラザの入居者も店舗を撤退するなどし、プラザとしての機能を失った。そのため、町民や同町在住の日系人などから「このままでは活気が失われる」と危惧する声とプラザの復活を求める声が強くなっていた。そうしたところ、プラザの土地建物所有者から日本海外協会に「無償貸与するので、プラザを復活再生できないか」との依頼があり、同協会と交流ネットが中心となり、再生事業計画を立ち上げたという。
計画では(1)ブラジル移住資料館設置(2)障がい者総合福祉施設の設置(3)フードコート(4)BBGアジア日本、と主に4つの運営を目的としている。
(1)は、日系人が日本に就労に行って約30年に及ぶ「デカセギ」たちの歴史を中心に展示を目指す。日本国内では、日系ブラジル人たちがなぜ日本で就労するようになったのかなどを知る人が少なく、その周知とともに日本で暮らす日系子弟たちにも理解できる歴史を公表していくという。
(2)は、日本での日系ブラジル人の出生率が3%と日本人の出生率(1・42%)の倍以上になっている現状の中、外国人障がい者も増加しているそうだ。現在、交流ネットでは三重県四日市市に同様の障がい者福祉施設を運営。10月には同市内に2つ目の施設建設も予定されており、大泉町の障がい者施設は3つ目の建設となる。
(3)は、ブラジルをはじめ、ペルー、アルゼンチン、ボリビアなど南米の料理を提供する店舗を募り、南米の踊りや音楽を楽しみながら食事する空間を造る。
(4)は、各分野の起業家やビジネスマンなど約100人の会員が活動しており、後進の育成に力を注いでいる。プラザ内では、日本で活動しているブラジル人起業家の成功物語を展示。現在、25のメーカーで構成されている「サボール・ブラジレイロMade in japan」食品の試食スペースなども設置する予定。
長年にわたって公益財団法人海外日系人協会の事務局長を務め、現在は同協会常務理事の肩書きも持つ岡野館長は、「現在、民間のバス会社がブラジル体験ツアーとして東京から大泉までの日帰り観光ツアーを行っているところも増えています」と日本国内でブラジル志向が高まっていることを踏まえて、「資料収集のために出稼ぎなどで大泉に住んでいた人からの様々な形でのデータを提供してほしい」と同プラザリニューアルへの協力を呼びかけている。
詳細については、岡野館長(okano@koryunet.org)か林事務局長(tsutomu-hayashi@koryunet.org)まで。
サンパウロ新聞 2016年7月6日付
