
日系5団体が各種支援策を報告
8月5日からのリオ・デ・ジャネイロオリンピックの開催まで1カ月を切った。文協(呉屋春美会長)、援協(菊地義治会長)、県連(山田康夫会長)、商工会議所(村田俊典会頭)、日文連(大城幸夫会長)の日系5団体は2014年のサッカー・ワールドカップ(W杯)に引き続き、リオ五輪に向けて「日本人訪問者サンパウロ支援委員会」を3月に発足し、5日午後2時から文協ビル2階で記者会見を行った。
記者会見には、日系5団体の各代表者のほか、文協の松尾治副会長、在サンパウロ(聖)日本国総領事館の高元次郎領事、商工会議所の安田篤日伯交流委員長が出席した。同支援委員会は、日本企業を中心としたスポンサーの支援のもと運営されており、文協の呉屋会長はあいさつでスポンサーへの感謝の気持ちを述べた。
同委員会に情報提供などを行っている在聖総領事館の高元領事は「選手への支援、サンパウロを経由する邦人の保護、日系団体との連携強化の3点を軸として、日系社会を盛り上げていきたい」とあいさつした。
緊急医療支援を行う援協の菊地会長は「リオでは7つの病院が緊急対応病院に指定されているが、日本語対応ができない上、日本の保険会社と契約がないので医療費を立て替えなければならない。サンタ・クルス病院と援協では、そういった煩わしい手続きが一切要らない」と説明した。また、援協は緊急連絡先を書いたカードを作り、文協、県連、商工会議所、旅行会社を中心に配布しており、同会長は「場合によってはリオの病院に行くよりもサンパウロまで来て、サンタ・クルス病院や援協を利用することが勧められる可能性もある」と話した。
宿泊支援を行っている県連の山田会長は「サッカーW杯の時は1、2カ月前から宿泊施設に関する問い合わせがきていたが、今回は問い合わせがほとんどない。要請があれば支援していきたい」と県連の動きを説明した。
商工会議所の村田会頭は「会員の3分の2を日本企業が占めており、当委員会のスポンサーも7割が商工会議所の会員。そういった意味で当委員会に商工会議所が参加することは重要な意味を持つ」と述べ、安田委員長は「オリンピックというビッグイベントを機に日伯交流に全力を尽くしたい」と意気込みを語った。また、日伯文化連盟は、翻訳通訳支援を行う。「電話やメールで要請があれば支援していきたい」と大城会長は話した。
同委員会は伯国を訪問する日本人に、事前に正しい情報を得てリオ五輪や観光を満喫してもらうことを目的に、文協ホームページ上に特設ホームページを5日から開設した。URLは次の通り(http://www.bunkyo.org.br/ja-JP/rio2016)。
文協事務局の益本氏は「7、8月にかけて日系社会においてもたくさんの催しがある。このサイトを通して、日系人・日本人・ブラジル人が交流を深めるきっかけになれば」とし、Facebookにもリオ五輪のサイトを立ち上げており、まだ開設してわずかだが日本からのアクセス数が多いという。
同委員会は、8月10日午後6時から文協の多目的ホールでサッカー男子日本対スウェーデン戦のパブリック・ビューイングを行うほか、ラグビー男子日本代表の公開練習の訪問を企画しており、日系人、日本人、ブラジル人との交流を深めることが期待されている。
さらに、NPO法人「日本スポーツ芸術協会」は人形文化の保存・継承に関する活動を行うNPO法人「阿波勝浦井戸端塾」に依頼し、雛人形がリオのジャパンハウスで展示される。その後、約1500体の雛人形が各日系団体に寄贈されるという。
質疑応答では、高元領事がテロ対策に関して「ブラジルでは過去にテロが起こったことはないが、テロの危険性は高まっている」と前置きし、「ブラジリアで伯国政府と連携を取り、情報の共有や伯国政府による外交向けのセミナーに参加しながら、万が一に備えた対策を行っている」と答えた。
サンパウロ新聞 2016年7月9日付
