「SOMPO SEGUROS」のブースで熱心に折り鶴を折る人々
総来場者数は16万8000人

新しく改装されたサンパウロ・エキスポ・センターで8~10日にわたって開催された県連(山田康夫会長)主催の第19回日本祭り。市川利雄同祭実行委員長の正式発表によると、総来場者数は昨年より約2万人多い16万8000人になったという。会場では各県人会の郷土食とともに、日本から輸入された物産の展示ブースも賑わっていた。特に、新潟県人会や福島県人会などで販売されていた日本酒は人気があった。また、会場では熊本地震の被災者支援キャンペーンや群馬県大泉町のブラジリアンプラザへの協力アンケートも行われ、関係者たちはそれぞれに手応えを感じていたようだ。
郷土食ブースの入口で「新潟物産展」を行っていた新潟県人会(南雲良治会長)では、「八海山」「菊水」の日本酒をはじめ、プロ用刺し身包丁・砥石(といし)、カレーのルーや県産のあられ・菓子類のほか、新潟県人会名物の白餅など約40品目を販売していた。南雲会長は「白餅も人気があるが、日本酒も高いのに結構売れてるよね」と嬉しそうな表情を見せていた。白餅は金曜日と土曜日だけでも90キロの餅米を使用したという。
復興と風評被害払拭を目的に福島県喜多方市の大和川酒造の銘酒「純米辛口 弥右衛門」と「純米大吟醸 弥右衛門 スパークリング珠泡」の2種計約100本を空路で持ち込み、郷土食の喜多方ラーメンなどとともに販売していた福島県人会(永山八郎会長)。日本酒販売のために同酒造海外営業部長の武藤啓一氏が日本祭り開催前からブラジル入りしていた。また、9日には同祭に合わせて同酒造店の佐藤和典社長も初来伯し、ブラジルでの今後の販売について「期待できる市場」と手応えを感じていた。
佐藤社長によると、同酒造店では「自社田」を所有し、酒の原料となる米も自ら栽培しているという。「福島は昔から酒蔵が多い所ですが、うちは米から丹精込めて作っています。社員すべてが田植えをしますし、私も草刈りなどを行います」とその特徴を語る。また、ブラジルの感触について「ブラジルの方は非常に日本と友好的で、そのことが日本酒の需要が伸びる要因になっていると思います。昔からの日本移民の方々がブラジル社会で信用を築いてきたことにより、尊敬し合っておられることを感じますね。今後は次の注文を頂き、ブラジルとの関係を長続きさせるためにも改めてブラジルに来たいですね」と話していた。
郷土食ブースとともに来場者が長蛇の列を作って並んでいたのが、「SOMPO SEGUROS」のブース。「頑張ろう熊本」と書かれたブース内では、熊本日日新聞から提供され熊本地震支援を目的にした大型写真が展示され、義援金箱の設置とともに千羽鶴を折って被災地に届けるキャンペーンを実施していた。同社によると、期間中の同ブースへの来場者数は1915人。折り鶴は全部で5020羽が折られ、義援金は2722・85レアルが集まったという。同社では熊本県人会と日程調整を行い、改めて折り鶴と義援金を寄贈する予定だ。
モジ・ダス・クルーゼス市に住んでいるという植田日出和(ひでかず)さん(75、香川)は「子供の頃はよく折り紙を折っていたが、長いことやっていなかったので鶴の折り方を忘れているよ。齢なのかな」と苦笑しながらも、熱心に3羽の鶴を折っていた。
会場入口付近の文協ブースで出稼ぎ帰伯者などからの情報を聞き取っていた群馬県大泉町のブラジリアンプラザの関係者。今年5月頃から同プラザの館長を務める岡野護さんは日本祭りの来場者について、「以外に日本で就労していた人が多い。話を聞いてみると、日本で工場や農場など生産管理をしていた人もおり、単なる日本への出稼ぎだけでなく、日本とブラジルのビジネス交流になっていると感じた」と率直な感想を語る。
岡野さんは、館長という立場について「学生時代から含めると40年以上にわたって海外日系人協会に携わってきましたが、大泉町との折衝などこれまでできなかった現場での仕事ができて面白いです。何をやってもまだ歯車が噛み合わずうまくいっていませんが、できる範囲でやっていきます」と充実した表情を見せていた。
2016年7月13日付
